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Elasticもライセンス変更でAWS対抗 対立するクラウドとOSS企業

オープンソース界からは思わぬ批判も

 テクノロジーメディアのProtocolは、専門家の意見を紹介しながら、「(制約の緩い)パーミッシブ・ライセンスで公開されたオープンソースプロジェクトで自社サービスを構築するのは合法的」とAWSの立場を支持する。ただ、「革新的なソフトウェアをマネタイズするチャンスにずかずかと踏み込んでくるAWSを、オープンソースエンタープライズ企業は反競争的な“ゴリラ”と見ている」とも記す。

 ProtocolにコメントしたOSIの元バイスプレジデントVM(Vicky)Brasseur氏は、Elasticに批判的だ。「ElasticはAmazonに一矢報いることを狙っているが、やっていることはエコシステムという池に平和に漂っているAmazonに石を投げつけているだけ」「(この行為に)価値はない。(Elasticは)エコシステムを壊している」と述べている。

 もっと厳しい意見もある。オープンソース開発者のDrew DeVault氏は自身のブログで、「(ElasticsearchやKibanaは)もはやオープンソースではない」と述べ、「ElasticsearchはElasticのものではなく、1573人の貢献者のものだ。(ライセンス変更は)信頼、忠誠、後援を示してきた1573人全員を侮辱する行為」と批判した。

 Forbesの記事では、Cloud Native Computing FoundationのCTO、Chris Aniszczyk氏が「自由なライセンスをしたソフトウェアでコミュニティを作った後に、ライセンスを変更することには我慢ならない」とコメントしている。

 開発者にとっては、オープンソースで進めてきたプロジェクトのライセンスを急に変更することの方が裏切りと感じられるようだ。