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脱Androidの布石? Huaweiが独自OS「Harmony OS」を発表

「Androidの置き換えと言わないで」

 HuaweiはHarmony OS発表の翌10日、最初の搭載デバイス「Honor Vision」を披露した。「Honor」はHuaweiのスマートフォンブランドの1つだが、Honor Visionは画面サイズ55インチの薄型のスマートテレビだ。

 レビューしたForbesの記事によると、スマートフォンと連携のデータ転送、スマートフォン側で再生中のゲームや音楽の表示、音声アシスタントなどを利用できる。また、簡単に動画チャットができるポップアップカメラなども備えるという。Forbesは、これらの特徴を紹介しながら、「スマートホームのデジタルハブ」を目指す製品と位置付けている。

 Huawei自身は「Harmony OS対Android」という構図で捉えられるのを避けたいようだ。Wall Street Journalによると、Yu氏は「Huaweiは自社スマートフォンで継続してAndroidを使うことを望んでいる」と置き換えのためのものでないことを強調。ただ、もし必要になれば、「1日か2日で」スマートフォンのOSをHarmony OSに切り替えることができるとも述べている。

 Wired.comは、Harmony OSはスマートフォン用としてはそぐわない面を指摘。「Huaweiは複数のフォームファクタで動くアプリを開発できると主張しているが、このような汎用性は品質には打撃だ」と言う。そして「どこでも動くためには、デバイス固有の機能を活用できない」(Forrester Researchのアナリスト、Michael Facemire氏)とのコメントを紹介している。

 そして、その狙いは単なるAndroidの代替とは別の所にあると読む。つまり「Harmony OSは、Androidではなく、GoogleのFuchsiaと比較すべきだ」と言う。FuchsiaはGoogleがオープンソースで開発中のOSで、マイクロカーネルなどの特徴も共通している。

 なお、7月30日付の9to5Googleの記事で、Huaweiのメールアドレスを持つ開発者がFuchsiaのソースコード管理で質問をするなど、同OSの開発に参加していると報じている。まだHarmony OSの発表前だが、Huaweiが独自OSを開発中といううわさは、ここ1年以上何度も浮上しており、「Harmony OSは、Fuchsiaの『Zircon』マイクロカーネルを基盤としているのかもしれない」と予想している。

 Wired.comは、HuaweiのPR(Twitterハンドルは@bhavis)が、「Harmony OSについて話す場合は、Androidの置き換えと言わないでいただきたい。(Harmony OSは)より大きなビジョンを持ったOSで、HONOR VisionなどのIoT製品向けのOSだ。(スマートフォン製品の)『HONOR』は100%Androidにコミットしている」とツイートしていることも紹介している。