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自動車製造現場に入るクラウド 産業IoTを狙うMicrosoftとAWS

オープンな自動車向けIoTイニシアティブを開始したBMW

 Volkswagen Industrial Cloud発表の1週間後、より大きな取り組みが発表された。AWSのライバルMicrosoft Azureが、BMW Groupと進める「Open Manufacturing Platform(OMP)」だ。

 両社は、Microsoft Azureの産業IoTクラウドプラットフォーム上に技術フレームワークを構築する。Volkswagenが自社と、パートナー向けを想定しているのに対し、BMWとMicrosoftは業界標準を狙っており、「オープンな業界標準とオープンデータモデルを持つリファレンスアーキテクチャ」の提供を目指すとしている。

 この取り組みはゼロからのものではない。両社は以前から提携関係にあり、BMWはMicrosoft Azureのクラウド、IoT、AI機能をベースとする「BMW Group IoT Platform」を構築している。3000台のマシン、ロボット、自動運輸システムが接続されており、関連するユースケースでOMPに貢献するという。

 一例として、BMWのドイツの工場の自動運輸システムでは、中央で運輸システムを制御することで物流の効率化が図れたという。

 両社は今後、デジタルフィードバックループ、デジタルサプライチェーン管理、予測メンテナンスなどをユースケースとして、OMPのメンバー企業とともに開発を進めるとしている。

 産業IoTの分野は、まだ標準が確立されてはいない。「各メーカー固有のプロプライエタリなシステムが一般的で、修正が難しく、他のプロプライエタリシステムとの併用も難しい」(Tech Crunch)というのが現状だ。OMPは、その解決策を提供するものだと位置づけている。