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「テレコクラウド」時代到来? 5Gで進むネットワークの仮想化とクラウド

Telco Cloudを進めるVMware

 MWCでは仮想化のVMwareも存在感をアピールした。その中で「Telco Cloud」というキーワードを打ち出している。

 VMwareのCEO、Pat Gelsinger氏は記者会見で「約60のサービスプロバイダーがVMwareの技術を使ってTelco Cloudを構築中」と述べ、「巨大な市場に参加できる大きなチャンスだ」と意気込みを語った。

 VMwareが好んで挙げる事例はVodafoneだ。Vodafoneは2017年にVMwareと提携し、VMwareのNFVプラットフォーム技術を採用してクラウドを構築している。今回のMWCでは、新たにAT&Tとの契約も発表された。AT&Tは5GでVMwareの「VeloCloud SD-WAN」を使うことになっている。

 NFV(Network Functions Virtualization)はネットワーク機能の仮想化技術で新しいものではない。だが5G移行を迫られる事業者にとってNFVを用いたソフトウェア化を採用すれば、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)を進めることができる。

 一方、VMwareは、ネットワーク機能仮想化プラットフォームの最新版「VMware vCloud NFV 3.0」をMWCで発表している。安全なマルチテナントなどの機能を加えた「マルチクラウドのプラットフォーム」と位置付けている。MWCではEricssonとの提携も発表した。クラウド経由でのEricssonのサービスへのアクセスと管理を簡単にするなど、ネットワークの仮想化が簡素化できるという。

 MWCをレポートしたSDX Centralは「ハードウェア定義のアーキテクチャから完全な仮想化されたアーキテクチャのシフトが起こっている」とまとめている。