Infostand海外ITトピックス

コンテナ化の分散問題解決を DockerとMicrosoftの新仕様「CNAB」

コンテナ開発の現実

 Dockerは今年6月、さまざまなチームがコンテナアプリケーションを、よりシンプルに、簡単に管理するためのツール「Docker App」を公開しており、CNABはこれに次ぐものと位置付けている。CNABは数年前からDockerで開発が進んでいたプロジェクトで、約1年前にMicrosoftが加わったという。協業に至った背景には、コンテナを利用したアプリケーション開発での課題がある。

 インフラ技術の変化に合わせて、開発者はこれまでのオンプレミスのリソースに加え、クラウドサービスも利用するようになった。さまざまなリソースを使うため複雑性が増しており、それぞれの技術の環境やバージョン追跡が課題となっている。

 例えば、リソース(要素)の組み合わせや管理には、Microsoft AzureのARM(Azure Resource Manager)テンプレート、AWSのCloudFormation、KubernetesパッケージマネージャーのHelmチャート、Red HatのAnsibleなどさまざまな技術があるが、複数のサービスを定義してパッケージするソリューションはまだない。この問題は、コンテナ化によってアプリケーションが細分可能になったことがもたらした“負の影響”と言えるだろう。

 The Registerは、「Dockerが2013年にコンテナコンセプトによって、依存性とライブラリで実現したのと同じことを、(CNABは)分散アプリ向けに提供できる潜在的可能性がある」(Dockerの担当者)とのコメントを引用している。