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Dockerがエコシステム構築に大きな一歩、Moby ProjectとLinuxKit発表

 Docker社がコンテナのエコシステム拡大に向け、2つの重要なオープンソースプロジェクトを年次カンファレンス「DockerCon 17」で発表した。そのひとつMoby Projectは、ソフトウェアコンポーネントを組み合わせてコンテナシステムを構築するフレームワーク、もうひとつのLinuxKitはこれを実現するコンパクトなLinuxを構築するツールキットだ。同社の創業者でCTOのSolomon Hykes氏は、Moby Projectを「創業以来、最も重要なプロジェクト」と宣言している。

“レゴ”のようにカスタムのコンテナシステムを構築

 Dockerの説明によると、Moby Projectは、▽コンテナ化されたバックエンドコンポーネントのライブラリ▽コンポーネントをアセンブリしてスタンドアロンのコンテナプラットフォームにするためのフレームワーク▽参照実装「Moby Origin」――の3つの要素で構成される。

 さまざまな標準コンポーネントをまるで“レゴセット”のように組み合わせて、カスタムなプラットフォームを構築できるようになるという。例えば、継続的インテグレーション/継続的デリバリーシステムや、NoSQLのRedis向けシステムの構築が簡単にできるようになると説明している。

 LinuxKitは、Dockerコンテナを動作させるための最小限のLinuxをビルドするためのツールキットだ。カスタムのLinuxサブシステムを構築するためのツールを含み、全てのシステムサービスを、削除・リプレース可能なコンテナとして提供可能にする。LinuxKitによって、プラットフォームごとのLinuxの調整は不要となり、全てのOSサービスがコンテナ内で実行できるようになるという。

 さらに、DockerConでは、「Modernize Traditional Applications(MTA) Program」も発表された。企業が抱える.NETやJava Linuxなどのレガシーアプリケーションをコンテナ化によって“モダン化”するプログラムで、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Microsoftなど4社と共に開発した。コンサルティング、Docker Enterprise Edition(EE)、それにパートナー企業によるハイブリッドクラウドインフラで構成され、レガシーアプリケーションを「5日以内にモダン化をできる」と約束している。