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AI時代へElon Musk氏の回答か 脳・コンピューター接続のベンチャー

「ブレイン・コンピューター・インターフェイス」

 この分野は脳からの信号をコンピューターに伝えるインターフェイスから、「ブレイン・コンピューター・インターフェイス(ブレイン・マシン・インターフェイス)」とも言われ、以前から研究が進んでいる分野だ。「Neuralinkが初ではない」というThe Vergeは、Kernelというベンチャー企業の存在に触れる。Kernelは、オンライン決済代行サービスのBraintreeの創業者であるBryan Johnson氏が昨年立ち上げた会社だ。

 The Vergeはブレイン・コンピューター・インターフェイスを「脳をハッキングする」と表現したが、Tech Crunchはより分かりやすく、「外科手術により人間の脳を接続して、ユーザーが帯域の問題なしにコンピューターとやりとりできるようにする」と説明する。

 だが、この技術も、すぐにわれわれ全員が脳に何かを埋め込むという訳ではない。KernelもNeuralinkも、最初はパーキンソン病、てんかんなどの治療を支援することを目指すようだ。Johnson氏はThe Vergeに対し、「AIとともに進化する能力」を目指していることを強調したという。

 Financial Timesは、脳の物理的な機能に入り込んで強化するという取り組みは既に進んでいるが、思考をデジタル信号に変換し、コンピューターがそれに応じて情報を送る、というMusk氏のアプローチは「これまで以上に野心的」とする。「少なくとも、神経系とデジタルの思考プロセスを統合するために、人間の脳がどのように機能するのかを深いレベルで理解する必要がある」とFinancial Timesは言う。そして、簡単に実現できるたぐいのものではない、と念を押す。

 Neuralinkは難題に取り組むことになるが、医療分野からスタートすることについて、Tech Crunchは「Musk氏のいつものシナリオ通り」と評する。「大きなアイデアをベースに新しい企業を立ち上げるという点で、(Musk氏は)SpaceXでもTeslaでも同じモデルを使った。最終的なデザインに通じる道を持続性のあるものにするため、最初は野心的ではない短期的な製品からスタートする」というのだ。

 3月28日にMusk氏はツイートでNeuralinkについての“piece”を、あと1週間ほどで明らかにすると予告した。その通りであれば、Neuralinkについて、もっと詳しい情報は今週末か来週始めには出てくると期待できる。