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着々と進むエンタープライズ攻略 「Google Cloud NEXT」から

 Googleがエンタープライズ向けクラウドで伸長している。このほど開催した自社イベント「Google Cloud NEXT 2017」では、SAPとの提携、買収、新機能、新しいリージョンの追加など100以上の発表を行い、Disney、Snapなどの多くの顧客事例も紹介した。Dian Greene氏の指揮の下、先行するAWS、Microsoftを追うが、“コンシューマーのGoogle”から“エンタープライズのGoogle”になれるのか――。

SAP提携、DB認定、新機能などを大量発表

 Googleは2013年に「Google Public Cloud(GCP)」としてIaaSの提供を開始。2015年にVMwareの共同創業者兼CEOだったDian Greene氏を迎え、クラウド事業に大規模な投資を続けている。Google Cloud NEXTはクラウドに特化したGoogleのイベントだが、今年は1万人超が参加。Greene氏のほか、CEOのSundar Pichai氏、親会社Alphabet会長のEric Schmidt氏も登壇し、クラウドへのコミットを強調した。Schmidt氏はIaaS事業に300億ドルを投資していることを明らかにした。

 イベントでは多くの話題を提供した。中でも大きく取り上げられたのはSAPとの提携だ。GoogleはSAPのインメモリデータベースSAP HANAをGCP上で動かす認定を受けたことを発表した。SAP HANAはエンタープライズの多くが利用するSAPの業務アプリケーションの基盤技術で、Googleにしてみればエンタープライズへの足がかりを固めたことになる。SAPとはまた、SAPのPaaSである「SAP Cloud Platform」についてもGCP上で動かせるようになったと発表した。

 このほか、PostgreSQL向けのマネージドデータベースサービス「Cloud SQL for PostgreSQL」(ベータ)、Google Compute Engine上で「Microsoft SQL Server Enterprise」を正式扱いにすることなども発表した。

 新機能も多数発表された。その中には、データの損失を防ぐための「Data Loss Prevention (DLP) for Google Cloud Platform」(ベータ)、暗号鍵を管理する「Key Management Service for Google Cloud Platform」や「Security Key Enforcement (SKE) for Google Cloud Platform」などのセキュリティ機能も並んでいる。さらに2件の企業買収(KaggleとAppBridge)も発表した。