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NTTとKCCS、IOWN APNで倉庫のAI/GPU処理を遠隔地のデータセンターに集約する技術検証を完了
2026年3月25日 09:30
NTT株式会社と京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)は23日、北海道石狩市において常時再生可能エネルギー100%で運営する「ゼロエミッション・データセンター 石狩(以下、ZED石狩)」と、千葉県流山市の物流倉庫を直結する「物流倉庫DX」の提供に向けた技術検証を完了したと発表した。
物流業界では、労働力不足やコスト上昇に加え、脱炭素化への対応が求められており、業界全体で倉庫業務の省人化・高度化を目的としたDXが進められているが、現状では一部作業の自動化にとどまり、倉庫全体を俯瞰した最適化やエネルギー消費を含めたGXの持続可能な仕組みづくりが課題になっているという。また、倉庫のロボット化や画像解析の高度化に伴い、AI処理に必要なGPU利用の増加による電力消費の拡大も新たな課題となっている。
今回の取り組みでは、物流倉庫における入出荷作業の自動化を想定し、ロボット制御および画像解析に必要なAI処理を、低遅延なIOWN APNを介して遠隔地のZED石狩に集約する「エコセントラルコンピューティング」の構成について検証した。その結果、GPUリソースの効率的な利用や、消費電力とCO2排出量の削減に寄与する可能性を確認した。
検証では、千葉県流山市の物流倉庫とZED石狩間をIOWN APNで直結し、倉庫内で取得した映像データを遠隔地のデータセンターでAI処理する環境を構築した。これにより、AI処理を再生可能エネルギー100%で実行できる環境を実現。倉庫内の複数カメラの映像を遠隔地でAI解析し、リアルタイムで作業員の動線可視化や異常検知を行うモニタリングができることを検証した。
さらに、入出荷作業への適用を想定して、遠隔地のGPUサーバーからアームロボットを制御する通信環境を設計し、ネットワーク遅延の影響を最小限に抑えた遠隔ロボット制御ができることを検証した。
また、NTTドコモソリューションズ株式会社が開発した未来位置推定技術とカメラ映像による人流分析により、人とロボットが衝突を回避しながら、協調業務を行えることを確認した。衝突回避については、未来位置推定による衝突予測から、遠隔地のロボットの回避制御送信までを1秒未満で実行できることを検証した。
この結果から、AI処理をZED石狩に集約することで、倉庫現場の電力消費を抑制し、脱炭素化を推進することが期待できるとしている。また、自動化・業務効率化によるコスト削減とともに、倉庫現場に配置するITリソースを最小限とする構成により、設備投資やシステムメンテナンスコストを削減でき、IT専門人員への依存を低減し、人手不足の解消にも貢献する。
さらに、IOWN APNによるミリ秒単位の低遅延通信により、遠隔地からのロボット制御を実現するとともに、人とロボットが同一エリア内で協調しながら作業を効率化する。専用エリアを設けず、安全性と空間活用の両立を実現する。
NTTとKCCSは、世界の業界リーダーが集うIOWN Global Forumにおいて、パートナーメンバーと共に、再生可能エネルギーを最大限活用した倉庫業務最適化の実現に向けて、IOWN APNの適用を検討するチームを立ち上げて活動している。今後、実証実験を通じて、構築した基盤を用いた物流倉庫業務最適化ユースケースを創出し、物流業界の課題を解決する持続可能な「物流倉庫DX」の早期商用展開を目指す。さらに、製造業や社会インフラ分野への応用も視野に入れ、IOWN APNを活用した新たな産業ユースケースの創出に取り組んでいくとしている。
