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「市民データサイエンティスト」が活躍? 専門家でなくてもデータ分析

市民データサイエンティストの活用は

 市民データサイエンティストの現状はどうなのか。ビッグデータやエンタープライズを専門とする著述家のBernard Marr氏は、昨年4月のForbesへの寄稿で実例を紹介している。それによると、米国の大手小売りSearsでは、BI担当の400人の従業員に、ビッグデータ分析技術Platforaのツールを用意。それまでビッグデータ分析を専門とするスペシャリストや博士号を持つ人が担当していた顧客のセグメント化などをやらせた。Webサイトを訪問するユーザーにどのような商品を表示するのが良いのかに役立てるのが最終目的だ。

 ツールを提供したPlatforaのCEOは、この動きを「ビッグデータの民主化」と呼び、「事業部とIT部門がシンクロして、協調しながら同じ最終目的に向かって作業する必要がある」と分析した。

 同じくSearsの事例を交えて市民データサイエンティストの動きをまとめたComputerworldは、「現代のビジネスはデータツールをExcelと同じように(重要と)考える必要がある」という、CrowdFlowerのCEO兼創業者のコメントを引用している。

 こうした市民データサイエンティストの活躍の場は、確かに広がっていきそうだ。だが、だからといって専門のデータサイエンティストが不要になるというわけではないという。Marr氏は「ビッグデータの重要性についての理解が進むにつれ、その活用で先駆けた人へ認識も高まる」と予想している。

 GartnerのアナリストJoao Tapadinhas氏は「現在、データサイエンスへのアクセスは不平等だ。リソースが不足しており、複雑であることが原因で、全ての企業がデータを活用できているとは言えない状態だ」とした上で、「一部の企業には、市民データサイエンスは高度なデータ分析に向かうためのシンプルかつ迅速な解決策だ」とその必要性を説いている。

 Gartnerは、市民データサイエンティストが生成する高度なデータ分析は、2020年にはその分量で専門のデータサイエンティストのそれを上回るだろうと予想している。