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AWSとMicrosoftが圧倒、調査会社のIaaS市場レポート

「AWSとMicrosoftの一騎打ち」

 FortuneはGartnerのMagic Quadrantを取り上げた中で「AWSとMicrosoftの一騎打ち」としている。

 Fortuneは、昨年の調査時点で、AWSが、2位から15位まで総計の10倍という圧倒的なクラウドコンピューティングのキャパシティを備えていたことを挙げる。Gartnerに問い合わせたところでは、今年もAWSはやはり同程度のリードを保っているとのアナリストの回答があったという。

 同時に、AWSは現在でもコストリーダーと認知されてはいるものの、もはや「競合が激しい中で、低コストの勝負をしたいわけではない」とのアナリストのコメントも紹介している。

 Googleについては、「依然3番手ではあるが、上位2社に多少なりとも絡めるポジションになった」と評価する。「(Googleは)AWSとMicrosoftからなんとか市場シェアを奪おうと必死で、パブリッククラウド市場に真剣に取り組んでいることを示そうとしている」とした上で、それが奏功したと分析する。

 Wall Street Journalは前後して発表された2つの調査でのIBMの評価について特に取り上げた。IBMは2013年にSoftLayer Technologiesを買収し、パブリッククラウドを手に入れた。SoftLayerは非公開企業だが、IBMが買収で出した額は20億ドルともいわれる。だがIBMは、GartnerのMagic Quadrantでは、Virtustream、Backspace、CenturyLinkなどとともに「ニッチプレーヤー」に分類されている。

 SoftLayerには、セルフサービス型のSMB顧客に足がかりを持てること、IBMが抱える既存顧客ベースがあること、などの長所をあげながらも、ハイブリッド、仮想化、ベアメタル機能以外に対して差別化につながるものがない、とGartnerは指摘している。また、セルフサービスへのフォーカスから、中規模市場とエンタープライズが望むようなIaaSの機能の拡充が遅れているとも述べている。

 ところが、Synergy Researchが8月1日に発表した2016年第2四半期のクラウドインフラ市場調査では、IBMは3位だった。