クラウド特捜部

AWSのクラウド型仮想デスクトップ「Amazon WorkSpaces」を試す

Amazon WorkSpacesを試してみた

 Amazon WorkSpacesを利用するには、AWSのアカウントが必要になる(AWSのアカウントは無償で取得できる)。AWSのアカウントを取得後、Webブラウザを使ってAWSマネージメントコンソールにサインインすると、AWSで使用できるサービスが一覧表示される。この中から、Amazon WorkSpacesというサービスを選択すればいい。

AWSマネージメントコンソールからAmazon WorkSpacesを選択

 Workspaceの作成は3ステップで行える。AD連携を行わないなら「Quick Setup」を、もしAD連携を使うのなら「Advanced Setup」を選択する。今回はAD連携を使用しないので、「Quick Setup」を選択した。

Amazon WorkSpacesの設定は3ステップで行える
セットアップにはQuickとAdvancedがある。AD連携を行う時はAdvancedを選択する。今回は、簡単に設定できるQuickを選択

 Amazon WorkSpacesは、Standard、Standard Plus、Performance、Performance Plusの4つのバンドルが選択できる。4つのバンドルからどれを利用するかを選択して、ユーザー名、名(First Name)、姓(Last Name)、電子メールアドレスなどを入力すれば、自動的にAmazon WorkSpacesが作成される。初回のAmazon WorkSpacesデプロイメントには、20~30分ほどかかる。

 5月末現在、Amazon WorkSpacesが提供されているリージョンは、US East(N.Virginia)、US West(Oregon)、EU(Ireland)、Asia Pacific(Sydney)がある。まだ、Tokyoリージョンでは、サービスが提供されていない。

 ちなみに、IE11でAWSマネージメントコンソールのAmazon WorkSpacesにアクセスした場合、画面が崩れてしまう。できれば、FirefoxやChromeを使う方がいい。

Amazon WorkSpacesを作成できるリージョンは現在4つ。Quickで作成する前にリージョンを選択しておく
Amazon WorkSpacesを作成する場合、ユーザー名、姓名、電子メールアドレス、Amazon WorkSpacesのバンドル(エディション)を選択する。その後、右下のプロビジョニングボタンを選択すればOK
Amazon WorkSpacesは初回作成に20~30分ほどかかる。また筆者の環境では、IE11でアクセスすると画面が乱れた。できればFirefoxやChromeでアクセスすることをお薦めする
Firefoxでアクセスしたら、画面がキチンと表示された

 Amazon WorkSpacesの作成が終了すると、入力した電子メールアドレスに、AWSからメールが送られてくる。このメールには、Amazon WorkSpacesをアクティベートするためのURLが入っている。このURLをクリックして、パスワードを入力する。画面上には、ユーザー名、姓名、メールアドレスなどが表示されている。

 パスワードの入力をすると、画面がAmazon WorkSpacesの専用アクセスソフトをダウンロードするURLに切り替わる。ここで、必要なソフトをダウンロードして、インストールしておく。

Amazon WorkSpaces作成後、AWSからこのようなメールが届く。ユーザー確認のためアクセスするURLとRegistrationコードが入っている
ユーザー確認のURLをクリックし、ユーザーIDや姓名、パスワードを入力する
Amazon WorkSpaces専用ソフトをダウンロード。今回はWindows版を使用

 Amazon WorkSpacesアクセスソフトを初めて起動すると、先ほどのメールに書かれているRegistration Codeの入力が要求される。このRegistration Codeで、アクセスするWorkspaceを切り変えている。

 さらに、ユーザー名、パスワードを入力すれば、Amazon WorkSpacesが画面に表示される。

Amazon WorkSpacesの専用アクセスソフトを起動すると、Registration Codeの入力が促される
最初に決めたユーザー名、パスワードを入力する
Amazon WorkSpacesが起動。ウインドウの大きさを変えれば、自動的にWorkspacesの解像度も変化するのは便利だ。マウスポインタは、Workspacesとデスクトップをシームレスに移動する。画面は、Windows 7相当のUIになっている
システム情報を表示するとXeon E5-2670 v2という表示が出る。OSはWindows Server 2008 R2となっている

 初回起動したAmazon WorkSpacesは、Windows Server 2008 R2のアップデートが行われていないため、Windows Updateを行っておく必要がある。多数のアップデートが存在するため、最終的にアップデートが終了するまで、時間がかかる。このあたりは、導入した月にアップデートをあてたマスターを選択できるようにしてほしい。

 また、Amazon WorkSpacesにインストールされているアプリケーションのアップデートも行われていない。今回は、Amazon WorkSpaces Standardを使用したため、Adobe Acrobat ReaderとFirefoxのアップデートも必要になる。

利用開始までに、Windows Updateで多数のアップデートを行っておく必要がある
付属しているFirefoxやAcrobat Readerは、設定項目が英語環境のまま。ただし、日本語PDFや日本語のWebサイトは表示できる。設定項目を日本語にしたければ、日本語版を再インストールする必要がある

 Amazon WorkSpacesには、ローカルデバイスのフォルダを同期させるAmazon WorkSpaces Syncというアプリケーションが用意されている。このアプリケーションをクラウド側とローカルPC側(Windows、Mac)にインストールすると、指定されたフォルダを同期するようになる。

 この機能を使えば、ローカルPCとAmazon WorkSpaces側で作成されたドキュメントやデータ、プログラムなどを共有できる(指定したローカルPCのフォルダにアプリケーションをコピーすれば、自動的にAmazon WorkSpacesに転送してくれる)。

デスクトップ左の一番下にアイコンがWorkspaces Sync。インストールすると、Registrationコード、ユーザー名、パスワードの入力を行う
Workspaces Syncで同期させるWorkspaces側のフォルダを指定。クライアント側でもWorkspaces Syncをダウンロードしてインストールすれば、クラウドとクライアントでデータが同期するようになる

(山本 雅史)