クラウド特捜部

日本データセンター開設でWindows Azureはどう変わる?

価格は“ジャパンプレミアム”

 Azureは、ワールドワイドで同一料金の価格体系だった。しかし、日本のデータセンターは北米、ヨーロッパ、アジア太平洋リージョンよりも少し割高になっている。

 仮想マシンの従量課金プランで比較すると、東アジア太平洋(香港)データセンターでは、標準インスタンスのXS(A0)が2.04円/時間だが、東日本(埼玉)データセンターでは2.71円/時間、西日本(大阪)データセンターでは2.43円/時間となっている。日本国内でも、東日本と西日本で価格が異なっている。

 このようにCompute部分に関しては、ワールドワイドで同一料金といったコンセプトから、リージョンごとの事情に合わせた値付けに変わってきているようだ。ただし、すべてのリージョンでコストが変わってきているかといえばそうではなく、日本リージョンだけがプレミアム価格でCompute部分を提供している。

 日本などの特別なリージョンにはプレミアム価格を付け、北米、ヨーロッパ、アジア(東南アジア・東アジア)などは共通の価格設定をするようだ。

Azureの標準インスタンスのコスト。日本リージョンは、東アジアや北米に比べると少し高くなっている。東日本と西日本でもコスト差はある

 日本マイクロソフトでは、1月にAzureのCompute部分の価格を20%ほど引き上げている。これは、為替が大幅に円安へと振れたためで、担当者によれば、一度このタイミングでCompute部分の価格をリセットして、国内のデータセンターの公開に備えたと話している。

 国内データセンターのCompute部分の価格が少し高くなったとしても、競合他社に比べると必ず安くなるような価格設定を行っていると見られる。

 またComputeに関しては価格は異なるが、ストレージやネットワーク(データ転送料金)などは、ワールドワイドで統一されているようだ。

 なおAzureの価格に関しては、6カ月間、12カ月間の長期利用をコミットするプランも用意されている。これらのプランを使用すれば、6カ月間で最大で27%のディスカウント、12カ月間では最大で29.5%のディスカウントを受けることができる。

Azureは、単純な従量課金だけでなく、さまざまなプランによってディスカウントされる

(山本 雅史)