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PFN、IIJ、JAISTの3者、直接水冷方式による高密度AIサーバーをモジュール型データセンターに実装

 株式会社Preferred Networks(以下、PFN)、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)の3者は23日、経済産業省、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(委託)」に共同提案して2023年に採択された「超高効率AI計算基盤の研究開発」において、2025年7月にIIJ松江データセンターパークで試験稼働を行った超高効率AIアクセラレーターシステムをアップグレードし、IIJの白井データセンターキャンパス(以下、白井DCC)に構築した直接水冷方式モジュール型データセンター(以下、AImod)で4月に本格稼働を開始すると発表した。テストベッドにより、エネルギー効率や経済性を備えた大規模AI計算基盤のデータセンターレファレンスモデルを開発する。

 3者は検証の背景として、Society5.0の到来を見据えて、経済安全保障上の要請から高度なAI基盤を実現する国産のインフラ技術が求められており、また同時に、AIの需要拡大により見込まれるエネルギー消費の増大を受けて、エネルギー効率の向上による環境負荷の軽減も求められていると説明する。

 AI計算基盤を構成する要素技術には、AI向けの半導体(MN-Coreシリーズなど)や、多数のノードを結合するネットワーク、およびそれらを高密度に設置し冷却する技術などがある。

 テストベッドではこれらの要素技術を集約し、要素技術間の連携や相互運用性の確保を念頭に、実用を想定したAI計算基盤用データセンターのレファレンスモデルの開発を行う。具体的には、AImodの運用を通じて実用性を検証するとともに、省エネ指標の策定および評価を実施し、エネルギー消費の最適化とより環境負荷が小さいAI計算基盤の開発を目指す。

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 AImodでは、フリークーリングによる高い環境性能を実現する。設計pPUEはフリークーリングモードで1.1台、年間平均1.2台。設計WUE(水利用効率)は0で、冷却で水を消費しない。さらに、ブリードインポンプ(サーバーから戻る温水を一次側の冷温水と混合して再循環させるためのポンプ)を用いて、省エネを目的としたサーバーとの協調制御を行い、供給水温を17度から45度超まで柔軟に調整可能とする機能を実装する。

 水冷/空冷ハイブリッド冷却を採用し、水冷:空冷=7:3をベースとして、サーバーのGPU/CPUは水冷で、それ以外の部分を空冷で冷却する。また、三相4線400V給電による電力効率化も図り、従来の三相3線給電と比較してコスト面や変圧損失低減の面でメリットが期待できる。

 実証において、PFNとIIJは、実際のAIワークロードを用いてAI計算基盤としての効率性ならびに運用性の検証を進める。また、JAISTとPFNは共同で水冷設備と水冷サーバーとの協調動作(Software Defined Liquid Cooling Facility)によるデータセンターの資源割り当ての最適化と効率化に関する研究開発を行う。さらに、PFN、IIJ、JAISTが共同で、今後PFNが開発する次世代MN-Coreシリーズの水冷技術および高密度化の実証実験を行う。

 なお、開発したAImodは、実運用を通じ、水冷データセンターのレファレンスモデル開発と省エネ指標の策定および評価を実施した上で、AI基盤構築を支援する知見を備えたファシリティソリューションとして提供する予定としている。