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ネットアップとNTT、IOWN APNを活用した遠隔GPUによるグリーンコンピューティング実証実験に成功
2026年3月24日 10:00
ネットアップ合同会社は19日、米NetAppがNTT株式会社と共同で実施した概念実証実験(PoC)を完了したと発表した。PoCでは、リモート環境におけるAIトレーニングを、AIの学習時間に影響をほとんど与えることなく実行できることを検証し、大規模なAIトレーニング環境におけるエネルギー効率の改善につながる有効性を確認した。
さらに、IOWN Global Forumが提唱するオールフォトニクスネットワーク(APN)技術とNetAppのストレージ最適化技術を組み合わせることで、データ転送の性能を従来よりも12倍向上させることに成功した。その結果、持続可能なエネルギー源により稼働する遠隔GPUリソースへのアクセスを効率化し、最大で30%の電力使用効率化が実現できることも確認したという。
実証では、NTTが開発したLLM「tsuzumi軽量版」を用い、100kmから3000kmまでの距離を模擬した環境でAIトレーニングを実施した。APNとRDMA(Remote Direct Memory Access)を組み合わせ、従来のネットワークで発生する遅延・損失のボトルネックを解消。さらに、キャッシュ、レプリケーションなど複数のデータアクセス戦略を比較し、遠隔GPU活用における最適なアーキテクチャを評価した。
実証の結果、遠隔GPUを用いたAIトレーニング環境と、同一データセンター内の環境との比較で、トレーニング時間の増加を1%未満に抑制した。目標値(10%未満)を大幅に下回り、距離や場所に依存せずGPUを利用できる可能性を示した。
また、APNの低遅延・ロスレス特性に、NetAppのデータアクセス最適化技術を組み合わせることで、長距離条件下でのデータ転送性能が従来のIP-VPN接続に比べて最大で約12倍に向上した。これにより、トレーニングに必要な大量データの読み込みが大幅に高速化する。
再生可能エネルギー比率の高い地域にGPUを配置することで、電力使用効率が向上し、ローカル接続と比較した特定のモデルケースにおいて、最大で30%の電力使用効率化が可能だという。
NetAppとNTTは、今回のPoCにより、遠隔地にあるグリーンデータセンターを都市部と同様の感覚でAI開発に活用できる可能性が示されたと説明する。これにより、企業は電力コスト削減、CO2排出抑制、サステナビリティ対応の強化を同時に実現できるとしている。
今後、NetAppとNTTは、テラバイト規模の画像・映像データを扱うAIワークロードや、数百~数千GPUを用いた大規模分散学習、企業のAI研究開発における最適なデータセンター配置の検討といった領域への応用拡大を進めていくとともに、今回の成果を基に、持続可能な社会を支えるグリーンAIプラットフォームの実装をさらに加速させるとしている。

