クラウド特捜部
JunoリリースでOpenStack採用が加速する?
次期リリースKiloもまもなく登場
(2015/4/15 06:00)
2014年10月にOpenStack Juno版(2014.2)がリリースされ、多くのベンダーやユーザーでOpenStackの採用が加速してきた。そこで今回は、Junoを紹介するとともに、2015年のOpenStackの状況に関して解説していく。
Hadoopを取り込んだJuno
OpenStack Foundationは、年に2回の新しいリリースを提供することを目標にしている(おおむね4月と10月)。昨年10月にJuno(ジュノ:リリース名は米国の都市名をABC順に採用している。JunoはOpenStackとしては10番目のリリース)をリリースとしている。
Junoで最も大きなトピックは、データプロセッシングとしてSahara(開発コード名)というHadoopのプラットフォームが追加されたことだろう。これにより、OpenStack上でHadoopのビッグデータ処理を行うことが可能になる。
もちろんJuno以前でも、OpenStackに仮想マシン(VM)を展開し、個々のVMにHadoopをインストールすれば、ビッグデータ処理は行えた。それに対してJunoでは、OpenStackのフレームワークの中にHadoopが取り込まれている。つまり、データ処理のUIがOpenStack Dashboard(horizon)に統合されていたり、HadoopのSwift認証がkeystoneトラストを使用したりするようになっている。
また、Apache Sparkをサポートしてデータ処理をインメモリで行うことにより、Hadoopにおいてリアルタイムに近いパフォーマンスで処理が行えるようになる。
Junoの1つ前のリリースIceHouseで追加された、データベースプラットフォーム(DB as a Service:DBaaS)のDatabase Service(Trove)においても、MongoDBのクラスタリング対応、MySQLのDBレプリケーション対応、CinderボリュームをDB領域として使用できるようにするデータストア機能の強化などが行われたほか、PostgreSQLを新しくサポートしている。