Windows Server 2012研究所
進化したクラウドOS、Windows Server 2012 R2の新機能を見る (Windows Server Essentialsの機能をフィードバック)
(2013/8/1 00:00)
Windows Server Essentialsの機能をフィードバック
Windows Server 2012 R2で面白いのは、Windows Server Essentialsエクスペリエンスという役割が追加されたことだ。
Windows Server 2012では、エディションとしてWindows Server 2012 Essentialsが用意されている。これは、以前のSmall Business Server(SBS)やHome Serverが統合されたもので、中小企業での利用を前提にして、ダッシュボード形式の管理ツールが搭載されるなど、いくつか改善が行われている。
ただし、Windows Server 2012 EssentialsはWindows Server 2012から派生した製品という位置付けであり、ある意味当然ながら、Windows Server 2012には、Windows Server 2012 Essentialsの機能はフィードバックされていなかった。
しかし今回のWindows Server 2012 R2では、Windows Server 2012 R2 Essentialsも同じタイミングで開発されているようで、Windows Server 2012 R2にWindows Server 2012 R2 Essentialsの管理ツールや機能を追加できるようになった。
Windows 8.1のUIを採用
Windows Server 2012 R2は、Windows 8.1と同じコードを共有しているため、Windows 8.1と同じようにデスクトップモードにスタートボタンがあったり、スタート画面の左下にアプリの一覧を表示する機能が追加されたりしている。
ただWindows Server 2012からは、サーバーマネージャーが、サーバーを運用する上で必要なほとんどの機能を提供しているため、サーバー管理者がスタート画面を見たり、Modernアプリを利用したりするシーンはほとんどないだろう。
またWindows 8.1では、デスクトップモードで起動するオプションが用意されている。クライアントでは、このような機能に注目が集まった。しかし、Windows Server 2012では、システム起動直後にデスクトップモードのサーバーマネージャーが表示されるようになっている。もちろん、Windows Server 2012 R2でもこれは同じだ。
このように、サーバーOSにおいては、スタート画面やModernアプリなど、Windows 8から追加された機能は、現状においてはほとんど利用する必要がない。ただ将来的には、サーバーにおいてもデスクトップモード中心で進むわけではないと思われる。
Windows 8.1においても、APIの追加・改良やフレームワークの拡張は、Modernアプリが利用するWindows Runtimeが中心となっている。将来的に、Windows Runtimeの機能が充実してくれば、サーバーにおいてもModernアプリが利用されるシーンが増えてくれるだろう。すぐということではないが、中期的なタイムスパンではModernアプリをサーバーでも利用していくことが必要になってくるだろう。