Windows Server 2012研究所

進化したクラウドOS、Windows Server 2012 R2の新機能を見る (リリーススケジュールは?)

リリーススケジュールは?

 Windows 8.1に関しては、8月末までにRTM版をリリースし、9月中にはWindows Storeから既存のWindows 8ユーザーがアップデートできるようにすると見られている。また、Windows 8.1をプリインストールしたPCは、秋ごろから提供されるだろう。

 一方、Windows Server 2012 R2のリリースに関しては、明確な時期やアップデート方法は発表されていない。しかし、Windows 8.1が8月末ということを考えれば、10月、11月にはWindows Server 2012 R2も提供されるのだろう。また、このタイミングに、System Center 2012 R2もリリースされるだろう。

 企業にとっては、1年ごとにアップデートが行われていることは、あまりにもひんぱんすぎると考えるかもしれない。ただ、大幅に機能アップが図られているわけではないため、Windows Server 2012を導入した企業は、ゆっくりと採用や移行を考えることができる。

 逆に、Windows Server 2003/2008/2008 R2などを利用している企業は、そろそろアップデートを考える時期が来ている。特にWindows Server 2003は、リリース後10年たっていること考えれば、セキュリティ面だけでなく、パフォーマンス面でも大きな問題となってくるだろう。そういった意味でも、Windows Server 2012 R2へのアップデート時期に来ているといえるのではないか。

 Microsoftは、Windows Serverにおいても、Rapid Releaseを進めていくだろう。このような状況を考えれば、毎回アップデートを行うのではなく、2~3年でのアップデートを考えた方がいい。

 ただ、Windows Server 2012とWindows Server 2012 R2は、OSコアはそれほど大きな変更はなかったが、2015年以降にリリースされるWindows OSでは、OSコア自体も大きく変わり、アップデートの検証などが大変になっていくかもしれない。

 こういったことを考慮すると、ある程度MicrosoftのRapid Releaseについて行く方が、4~5年ごとに大きなシステム更新をするよりも、管理やシステム更新などにかかるコストは低い可能性がある。

 とはいえ、Rapid Releaseというコンセプトが企業に定着するにはもう少し時間がかかるだろう。なによりも、Microsoft自身が、Rapid ReleaseでサーバーOSをリリースできるのか、アップデートしてもトラブルが最小限に抑えられているのかなどを証明して見せないと、現実的なシナリオが見えてこない。このあたりは、今後の発表を注目していく必要がある。

 さて次回は、Windows Azure上にWindows Server 2012 R2をインストールしてテストしてみる。Hyper-Vなどの仮想化関連機能などは、じっくりと環境を整えて紹介していきたいと思う。

山本 雅史