特別企画
IT系ライター荻窪圭、企業向け無線LANアクセスポイント「WLX202」を試してみる
ビジネス向け製品に縁がないライターでも使えるの?
(2016/4/15 06:00)
昔からヤマハが取り組んできたのは、ネットワーク管理者の負担軽減、ということだ。ルータのみならずスイッチも提供して「LANを見える化」した後、無線LANにも取り組み(WLX302)、「電波の見える化」も達成した。その後、LAN環境全体を見渡せる「LANマップ」を開発し、IEEE 802.11ac対応の無線LANアクセスポイント「WLX202」の発売に至るのであった、というのが前回までのお話だ。
では実際、どのくらい使いやすいのか、LANマップは何をどう見せてくれるのか。
自分でやってみるのが一番早いのである。
わたしがはじめて無線LAN環境を自宅に導入したのが1999年だか2000年だか、21世紀になる前のことであったのだが、自宅環境のWi-Fiしかいじったことないので、ビジネス向けのネットワーク環境の設定ははじめてである。さてうまくいくか。
RTX1210を介してWLX202をつないでみる
WLX202だけあってもしょうがないので、それをつなぐためのルータとしてRTX1210もお借りし、それを中心に組んでみることにした。
まずはRTX1210にパソコンをつなぎ、自宅環境に合わせてセッティングする。シンプルな環境になってるので、あっさりと接続完了だ。そこまではよし。
つづいてWLX202をつなぐ。
初期化されているまっさらなWLX202にACアダプタを接続し、LANケーブルをRTX1210の適当なポートに入れてみる。
それだけだと何も起きない。
RTX1210のLANマップにアクセスすると、RTX1210にWLX202がぶら下がっているのが見える。
ここでWLX202を選択し、「無線APの設定」をクリックする。
これでRTX1210を介してWLX202の設定画面に入れるので、無線設定のSSID管理に入り、VAPをひとつ作るのである。適当なSSIDを付け(yamaha202-01と打ったつもりが201になっているのはご容赦を。あとで直しておきました)、パスワード認証など必要なセッティングを行う。
そして「設定」をクリックしてやればこれで終わりだ。
コンソールにつなぐ必要もコマンドを打つ必要もない。
これだけである。なんて簡単。
少し待つと設定が完了し、使えるようになる。
あとは設定した無線LAN APにつないでやるだけである。
いろいろとぶら下げてみる。
WLX202にアクセスして「管理機能」から2.4GHz、5GHzそれぞれにどの端末がぶら下がっているか、伝送速度はどのくらいか信号強度はどのくらい出ているかがわかる。
その他ファームウェアアップデート、アクセスポイントの細かな設定、管理、再起動、RADIUSサーバー機能などすべてWebブラウザから行えるのだが、202らしいのはLED点灯機能。
WLX202は電源やLANの状態を示すLEDが3つ並んでいるのだが、その表示をオフにできるのだ。たぶん、店舗などに置いた際、LEDの明滅が目立たないようにということだろう。
WLX302にもあったが「ここです」機能も面白い。LANマップ上で問題のAPを見つけたら「ここです」を実行すると、該当するAPのLEDが明滅して教えてくれる。複数台のAPを置いているときに便利だ。
WLX202のデザインはなかなか
LEDはPower、WLAN、SLAVEの3つだけとWLX302に比べるとシンプルな構成だ。
正面から見るとこんな感じ。
ボディはやや大きめだが、コネクタが外から見えないよう奥まっているせいもある。
これを実際に壁に設置するとどんな感じか試してみた。ケーブルはつないでない。
WLX202は302に比べるとフットプリントはやや大きいがその分薄く、デザインも凝っていて確かに壁につけたときの見栄えはいい。
角がすべて斜めにカットされているので、横から光が入ったときに形がきれいに見えるし、影も柔らかくなる。コネクタが奥まっているのでうまく配線すれば目立たない。
LED類は下向きに。
無線APは目立つべき存在ではないので、こういうのがいい。飲食店に置いても目立たないはずだ。
複数台のWLX202をつけてみる
さらにもう1台のWLX202をつないでみた。
無線コントローラーで先ほどつないだWLX202の設定を、そのまま新しい方にコピーしてみたい。
それにはまず先に接続していたWLX202を「無線コントローラー」で「Controller-AP」に指定する。こっちをコントローラとして使うのだ。
続いて、無線コントローラーの「グループ定義」で新しくつないだWLX202を同じグループに追加する。これで準備OK。
「設定送信」から新しくつないだWLX202に設定を送信してやれば、自動的に同じ設定になる。
これで複数台の無線APの設定をミスなく統一することができたわけだ。
無事2台のWLX202がつながったわけだ。
これなら無線APをどんどん増やしても簡単に設定していけるわけである。素晴らしい。基本的な設定だけこれで転送して、ディテールは個別に修正していけばいいのだ。
LANマップで端末を見る
面白いので、手元にある機器を片っ端からぶら下げてみた。
LANマップで見るとこんな感じ。全部で10個。iOS機2台、Mac2台、Windows PC1台、Android機3台、プリンター1台、デジカメ1台である。機器名を見るとわかる。
機器名や種類は「機器一覧」機能から編集可能だ。ここで誰のどんな機器かを端末マスターに登録しておくとより管理しやすい。
複数のVAPを使い分けることもできる。
複数のAPをつないだ状態でLAN全体を見たいときは「LANマップ」の「一覧マップ」機能がいい。こんな風にLAN全体のマップを見せてくれる。
ちなみに、WLX202で割愛された機能ではあるが、WLX302の「電波の見える化」ツールが面白かったので最後におまけで。
今回はシンプルな構成でしか試してないが、細かいセッティングがすべてルータを介してWebブラウザで行えるので、予想以上に楽でびっくり。いくらなんでも、もうちょっと面倒かと思ってたのだから。
LANマップもわかりやすくていい。
WLX202をLANケーブルでルータやスイッチにつないでしまえば、あとは手元で全部できるのだ。あらかじめ必要な設定を行ってからつなぐ、という手間がいらない。
ふだん、ビジネス向け製品を触らないわたしでも、ルータとスイッチと無線LAN APをヤマハで統一するメリットって大きいな、と実感できた次第である。