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山形大が「SAS Visual Analytics」を導入、分析による学生支援を強化

 SAS Institute Japan(以下、SAS Japan)は19日、国立大学法人山形大学が効果的なエンロールメント・マネジメントの運用のため、「SAS Visual Analytics」を採用したと発表した。

 エンロールメント・マネジメント(EM)とは、入学前から卒業まで一貫して学生を支援する大学マネジメント手法で、その実現にあたっては大学内の各部署に点在している学生データの統合と細やかなデータ分析が必要になるという。

 山形大では、エンロールメント・マネジメント部において、EMやインスティチュート・リサーチ(IR)を推進。学生の出身高校や受験前の大学との接触データ、入試結果などのデータを蓄積し、履修状況、出欠上級、成績、授業評価、各種アンケートなどのデータと統合し、分析・レポートするサービスを各学部に対して提供している。従来は、データの結合・加工の作業は限られたシステム担当者のマニュアル作業に頼っていたため、時間がかかり即時的な分析・レポート提供が難しかったという。

 SAS Visual Analyticsは、統計解析の専門的な知識がなくても扱える「Easy Analytics製品」で、インメモリ機能により高速にデータを可視化できる。

 山形大学 エンロールメント・マネジメント部の福島真司教授は、「IRは難解な統計を駆使して専門家が行うのではなく、現場担当者が自分の手で、簡単に操作し、楽しくデータを扱い、分かりやすく美しい分析画面を見ながら、意思決定できることが肝要。それが大きなモチベーションとなる。これまでに利用したシステムは操作性や柔軟性に難があったが、SAS Visual Analyticsは当時欲しいと考えていた機能がほとんど実装されており、初めてデモを見たときは衝撃を受けた」とコメント。

 今回の導入により、システム担当者の手を介さずに各学部の担当者自身が、いつでも好きなタイミングでデータを抽出できる環境が整い、レポート作成に要する時間を飛躍的に短縮。加えて、SAS Visual Analyticsが備えるアナリティクス機能を活用し、高度な分析を用いることで的確に学生の動向を把握し、効果的なエンロールメント・マネジメント業務が可能になったとしている。

川島 弘之