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日本IBMがシステム製品群を拡充、クラウド環境の迅速な構築を支援

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は9日、データセンターなどのサービス事業者向けに、クラウド環境の迅速な構築を支援するシステム製品群を発表した。今回発表する製品は、「IBM PureSystems」「IBM Power Systems」「IBM System Storage」「IBM System x」「IBM Technical Computingソリューション」から構成される。

 このうちエキスパート・インテグレーテッド・システム「IBM PureSystems」では、「IBM PureFlex System - Express」「同 Enterprise」が提供される。前者はクラウド環境の構築を小規模から開始できる製品で、単一シャーシで構成され、従来の42Uラックに加えて、25Uラック、シャーシのみでの提供が選択可能になった。

 後者の「IBM PureFlex System - Enterprise」は、高い冗長性、復旧性能、拡張性に優れたクラウド環境を提供し、マルチシャーシ構成をサポートする。なお、いずれも製品も、POWERプロセッサとx86ベースの「IBM Flex System」コンピューティング・ノードをサポートする。

 「IBM PureFlex」でも、2つのラインアップが提供される。1つ目の「IBM PureFlex Solution for IBM i」は、IBM iを活用する中堅企業が、WindowsやLinuxのアプリケーションを、「IBM PureFlex System」上に統合できるようにするソリューション。運用管理の一元化によるITコストの削減やシステムの複雑さ軽減を実現するとした。2つ目の「IBM PureFlex Solution for SmartCloud Desktop Infrastructure」は、デスクトップ仮想化に必要な要件を満たし、優れたパフォーマンスと柔軟性を提供できるとのこと。

 「IBM Power Systems」では、OpenStackテクノロジーを基盤とする「SmarterCloud Entry」と「IBM PowerVC」は、「IBM Power Systems」向けのオープンかつ高度な仮想化機能によって幅広い選択肢と柔軟性を提供し、顧客の要件に応じたシステムを低コストで構築可能。「Power Integrated Facility for Linux」は、ハイエンドシステムの高い信頼性、拡張性、パフォーマンスでLinuxシステムを統合し、一般的なLinuxサーバーと比べて、サービス品質の向上やシステム管理のコスト削減を行えるとした。

 さらに、動的なインメモリ・カラム型テクノロジーを採用し、最大20TBのデータウェアハウス(DWH)を構築できる「Power Systems Solution Edition for data warehousing」も提供する。この製品は、IBM AIX環境で構築され、レポーティングの分析スピードを従来比で8倍から25倍に向上しつつ、ストレージ領域は従来比1/10に抑えられるとのこと。

 またストレージでは、「IBM Storwizeシリーズ」のラインアップに「IBM Storwize V5000」を追加。x86サーバーの「IBM System x」では、1Uラック型の1ソケットサーバー「IBM System x3250 M5」を提供する。このサーバーは前世代と比べて2倍のストレージ容量と2倍のデータスループット、18%向上したエネルギー効率を実現する。

 このほか、「IBM Technical Computing」のポートフォリオが、計算指向およびデータ指向のワークロード向けに最適化した「IBM Application Ready Solutions」、「IBM
NeXtScale System」、「IBM Platform Computing」ソフトウェアなどにより強化された。

石井 一志