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富士通、SPARC M10へ移行するOracle EBSユーザー向けの「EBSアップグレードサービス」

アップグレードにかかる費用を最大約5割削減可能

 富士通株式会社は20日、米Oracleの統合ERPパッケージ「Oracle E-Business Suite(EBS)」のユーザーが、富士通の新UNIXサーバー「SPARC M10」へ移行した場合に、特別価格でOracle EBSを更新できる「EBSアップグレードサービス」を発表した。10月1日より、株式会社富士通システムズ・ウエストがサービスを提供する。価格は980万円から。

 「EBSアップグレードサービス」は、Oracle EBSのユーザー企業に対して、サーバーをSPARC M10へ移行した場合に限り、特別価格でのアップグレードを提供するもの。このサービスを利用すると、継続的な製品サポートが受けられるほか、通常アップグレード作業にかかる費用を、最大で約5割削減できる点がメリットとなる。またSPARC M10とあわせて利用することで、Oracle EBS環境の信頼性や性能が向上するほか、運用コストの削減も可能になるという。

 アップグレードにあたっては、Oracleの標準アップグレード方法論「EMM」に、富士通の開発標準「SDEM」を融合した独自の方法論「SDEM for Oracle E-Business Suiteアップグレード」を利用し、品質の高い移行が可能とのこと。この手法では、従来通りの品質を確保しつつ、富士通のノウハウをベースにさらなる移行作業の標準化、効率化を推進しており、従来比約3割の工数削減を実現した。

 実際の作業についても、Oracleの環境コピーユーティリティ「RapidCloneツール」、および、移行手順をベースに富士通-オラクル E-Business Suite コンピテンシー・センターが独自に開発・検証した、「RapidCloneソリューション」を適用する。こうした、動作保証された移行ソリューションを利用するため、移行トラブルを未然に防止できるとのこと。

 富士通では今回のサービスによって、利用している企業が多い「Oracle EBS R11i」バージョンのアップグレードを支援したい意向で、サービス開始より5年間で100社の獲得を目指す。さらに今後、「PRIMEQUEST」「PRIMERGY」「Oracle Exadata Database Machine」など、ほかのプラットフォームにも同様のサービスを順次展開する予定だ。

石井 一志