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富士通、16コアのSPARC64 Xを搭載した新UNIXサーバー「SPARC M10」
メインフレーム並みの信頼性を実現
(2013/1/18 13:49)
富士通株式会社は18日、新UNIXサーバー「SPARC M10」シリーズを発売した。価格は220万円(税別)より。
SPARC M10は、新プロセッサ「SPARC64 X(テン)」を搭載したUNIXサーバー。ビッグデータ、リアルタイムBI/BA、DWHなどのワークロードの処理性能を強化したのが特長。特にビッグデータに訴求し、「ビジネス成長に合わせた処理能力」「ほぼ無限の拡張性」「ビジネスデータのリアルタイム活用」「既存資産のビジネスデータの保護」といったビッグデータ活用に求められるサーバー要件を満たしたとする。
ラインアップは、1CPUモデル(最大16コア、512GBメモリ)の「SPARC M10-1」、4CPUモデル(最大64コア、2TBメモリ)の「SPARC M10-4」、4CPUモデルを1~16筐体まで増設可能な「SPARC M10-4S」の3種類。SPARC M10-4Sでは16筐体をつなぐことで、最大1024コア、32TBの拡張性が実現する。筐体間の接続はスパコン開発で培った技術を継承した高速インターコネクトを採用し、超大規模システムにも余裕を持って対応できるという。
新開発のSPARC64 Xは、28nmプロセスで製造された16コアのCPU。従来比でコア性能を約2倍、CPU性能を約8倍に向上している。また「ソフトウェア・オン・チップ」技術を採用し、データベース処理で多用するソフトウェア機能をプロセッサ内にビルトインすることで、データベース用マイクロベンチマークで高い性能を実証した。
標準で提供される仮想化機能により、広大なサーバーリソースを業務特性に応じて割り当てられる。また、同一筐体内で異なる4世代のOracle Solarisを混在可能。複数の環境に、2コア単位で細やかにCPU性能を割り当てられるため、段階的にサーバーリソースを拡張できるという。
さらにSPARC64 Xでは、浮動小数点レジスタの保護機構をパリティからECCに強化。より詳細にエラー個所を特定するため、エラー検出回路個数を約5万3000個に増強し、徹底したデータ保護を実現した。これらにより「メインフレーム並みの信頼性を実現している」と、システムプロダクトビジネス部門長 執行役員常務の豊木則行氏は語る。
富士通のプラットフォーム戦略は「自社技術をコアに」「多様な要件に対応するプラットフォーム」「グローバルプレイヤーとのパートナーシップ」というもの。その中でもUNIXサーバーの展開においては、「コアテクノロジ開発の継続投資」「オラクルとの開発協業」を進めると明言し、SPARC64プロセッサを今後も継続強化していくなどとコミットした。
今回のSPARC M10シリーズでは、仮想化機能で複数世代のSolarisを一台に統合できる点から、システム統合提案などを推進し、新規・他社領域へ市場を拡大する考え。「現在、UNIXサーバー市場はフラット。若干、性能の優位性からIBMが抜きんでているが、SPARC M10シリーズを投入することでIBMを打ち破り、トップシェアを獲得できるよう尽力したい」(豊木氏)とした。
価格はSPARC M10-1が220万円(税別)から、SPARC M10-4が570万1000円(同)から、SPARC M10-4Sが1516万3000円(同)から。SPARC M10-1/SPARC M10-4は出荷開始済みで、SPARC M10-4Sは1月末より順次出荷する。