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三菱自動車、最大40万台の車両生産計画シミュレーションを行うDBをSQL Serverで刷新

 日本マイクロソフト株式会社は4日、三菱自動車工業株式会社(三菱自動車)が自動車生産における部品管理および生産計画の立案を行うシステムのデータベース(DB)として、「SQL Server 2008 R2」を導入したと発表した。

 三菱自動車では、自動車生産に必要な部品の在庫数や供給能力をベースに生産計画をシミュレーションし、生産工場とサプライヤに最新の動向を迅速に伝えて、需給調整業務全体の制度を向上させることを目的に、「生産計画シミュレーター」を2009年に構築し利用してきた。しかし、生産拠点や部品点数の増大などに伴い、システムのパワー不足が課題となり、2010年より同システムのDBをパッケージ製品に置き換えることを検討。処理性能や直感的なレポートツール、拡張性などを評価し、SQL Server 2008 R2を採用した。

 2012年7月に稼働を開始したSQL Server 2008 R2を活用した「生産計画シミュレーター」は、データサイズ約32TBの巨大なデータベースで、1回につき最大40万台分の車両の生産計画シミュレーションを実行。1回のシミュレーションに旧システムでは4時間以上かかったのに対して、新システムでは約15分で処理が完了するとのことで、これにより、会議中に出た意見や仮設に基づいてその場で再試算するなど、急な変更に柔軟に対応し、より精度の高い生産計画を立てることが可能になったという。

 また、三菱自動車では、これまで調達に時間のかかる輸入部品は、在庫を多めに保有していたのに対し、同システムにより部品在庫の状況をより短い時間で確認して生産計画を調整できるようになったことで、以前は2カ月分を保有していた在庫が半減するなど、製造業の重要課題という在庫削減にも大きな効果があったという。

川島 弘之