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NTTデータ イントラマート、企業向けPaaS「Accel-Mart」を5月より提供へ

Accel-Martを基盤としたSaaSも

Accel-Martの基盤構成

 株式会社NTTデータ イントラマートは27日、企業向けクラウドサービス「Accel-Mart」を発表した。プライベートクラウドサービスとして5月より試験提供を、6月より本番提供を開始する予定。また、7月以降にはパブリッククラウドサービスとしての提供も予定する。

 Accel-Martは、企業が必要とするシステム基盤やアプリケーションを包括的に提供するクラウドサービス。NTTデータ イントラマートが2012年10月にリリースしたシステム基盤「intra-mart Accel Platform」(以下、Accel Platform)を利用し、実行基盤、開発基盤およびAccel Platform上で開発されたアプリケーションを提供する。

 もとになっているAccel Platformは、JavaEEフレームワーク「Seasar2」をベースに開発されたミドルウェアで、JavaEE以外に、JavaScriptを利用したスクリプト開発モデルが利用可能。JavaEEアプリケーションサーバーの「Resin」も標準搭載されている。

 Accel-Martは、このAccel Platformを、NTT Comの「BizホスティングCloudn PaaS」と、運用監視サービスやマスタテンプレートなどを組み合わせたNTTデータの「BizXaaSプラットフォームサービス Flex」上に構築し、月額課金制のプライベートクラウドサービスとして提供する。文書管理、検索エンジンなどの「情報蓄積」、BIをはじめとする「情報分析」、ワークフロー、ルールエンジンといった「業務統制」、BPMなどの「業務改善」をキーワードとした機能群を提供。外部のクラウドサービスや既存システムとの連携も、柔軟に実現できるという。

 また、企業ごとに独立したプライベートクラウド環境が提供されるため、カスタマイズを柔軟に行えるほか、システム連携面では、もともとのAccel Platformがオンプレミス製品としても提供されている点がプラスに働く。Accel Platformベースのオンプレミス環境とAccel-Martとの連携は容易に実現でき、企業のIT資産をより有効に活用できるからだ。

 NTTデータ イントラマートの中山義人社長は、「システムにおいては、オンプレミスとプライベート/パブリックのクラウド環境を連携させ、適材適所で組み合わせて導入していくハイブリッドクラウドが現実解。Accel Platformをベースに、オンプレミスで作ってもパブリッククラウド環境で使えるといった、シームレスで境目のない利用形態を提供できる」という点を強調した。

実行環境、開発環境とアプリケーションを提供
企業が必要とする統合基盤としての機能を備える
NTTデータ イントラマートの中山義人社長

 利用料金はユーザー数/IDの課金ではなく、利用するリソースに応じて5つのプランから選択する仕組みで、想定ユーザー数100名までの「Tiny」、同300名までの「Small」、同700名までの「Medium」、同1000名までの「Large」と、自由にカスタマイズ可能な「Custom」が設定されている。また、各プランには下位版のAdvanced版と上位版のEnterprise版がラインアップされた。Advanced版の価格はそれぞれ、月額17万5500円から、月額25万2500円から、月額38万4500円から、月額48万5000円から、個別見積もり。リソースが不足した場合に一時的に能力を拡張する、オートスケール機能もオプションとして利用できる。

 一方で、Accel-Mart上で稼働するアプリケーションもSaaSとして提供される。当初は、グループウェア機能などを備えた自社開発のコラボレーションツール「intra-mart Accel Collaboration」と、富士ゼロックスの文書管理システム「intra-mart Accel Documents」、スミセイ情報システムの経費精算システム「intra-mart Accel 皆伝!」、TISの購買調達システム「intra-mart Accel FAST購買(仮称)」が利用可能だ。

 NTTデータ イントラマートでは、これらにとどまらず随時ラインアップを広げていく考えで、そのための中核となる「Accel-Martコンソーシアム」を立ち上げる予定。中山社長は、「当社の基盤では、パートナーが作った50以上のアプリケーションがすでに存在しており、これを最新版のAccel Platformへ移植し、Accel-Martを展開してもらえるように呼びかけていく」とした。また、アプリケーションをより便利に利用できる各種テンプレートなども提供を検討するとのこと。

(石井 一志)