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富士通がビッグデータ推進、故障予測やマーケティングなど10種の実践モデル
(2013/10/29 06:00)
富士通株式会社は28日、ビッグデータ関連製品・サービス群を体系化した「FUJITSU Big Data Initiative」において、顧客に最適なビッグデータ活用を提案する10種類のオファリング(課題解決メニュー)を策定し、提供を開始した。
同オファリングは、ビッグデータ活用の提案資料と実装モデルから構成され、これまでに同社が支援した顧客のビッグデータ活用に関する約200件のモデル事例から、特にニーズが高い10種のテーマで策定したもの。
業務プロセス改革 | 1.リアルタイム経営の実現 |
2.故障予測による設備メンテナンス高度化 | |
3.予兆検知による社会インフラ維持・管理 | |
4.工場のリアルタイムエネルギー管理 | |
5.製造ラインのデータから「頻発停止」発生予測の実現 | |
サプライチェーン最適化 | 6.需要予測の高度化によるSCM最適化 |
マーケティング高度化 | 7.顧客接点情報の有機連携によるCXの実現 |
8.金融サービスでの個客向けパーソナライズ化実現 | |
9.顧客所用分析による人的リソース最適配置 | |
商品・サービス強化 | 10.M2Mデータによる商品・サービスの高度化 |
富士通では6月24日に「FUJITSU Big Data Initiative」を発表し、新技術と高度な分析によりデータから新たな価値を創出し、顧客と社会のイノベーションを支える取り組みを始めている。具体的に「最先端の製品・サービスを体系化」「顧客のビッグデータ活用をサポートするビッグデータイニシアティブセンターの設置」「個客向け、協業パートナー向け、ベンチャー企業向けプログラムの新設」を発表している。
その中で「ビッグデータをどう活用すればいいか」「社内外のデータをいかに組み合わせればいいか」「人材がいない」「多種多様なビッグデータ製品から何を選べばいいか分からない」といった課題を抽出。これらに対して今回、「ビッグデータ活用へのオファリング・実装モデル10種」を提供するとともに、「ビッグデータ人材育成サービス」「ベンチャー支援プログラム第2次募集」も提供する。
同社が11月1日に開催するデータ活用イノベーションフォーラムの応募状況から、製造・情報サービス・流通・金融・教育・官公庁・自治体と全業種で関心が高く、営業・販売・マーケティング・調査や、研究・企画・開発など現場部門の関心が50%を超えることが分かった。
今回のオファリングでは、経営者に向けた「全体説明」から、現場部門・情報システム部門にまで落とし込んだ「オファリングシート(概要」「オファリングシート(活用・分析・アウトプット)」「実装モデル(概要)」「実装モデル(詳細)」までの提案資材を整備したのが特長という。
ビッグデータ人材育成サービスでは、「データサイエンティストには3つの役割が求められるが、そのすべてを短期に育成するのは難しく、職務別役割におけるデータ活用の人材育成が重要」として、ビジネス企画部門向けの「ビジネス課題を洞察しデータ活用のイノベーション企画力」、業務部門向けの「データ活用を実践する分析力・数理学」、システム部門向けの「システムデザイン技術・ツール習得」を学べる教育コースを展開する。
具体的に「実践事例に学ぶ!ビッグデータ利活用研修」というコースを開設。11月より募集、2014年1月から開始する。データサイエンティストのチーム構築のための4日間コースで大学教授によるケース講義や事例に基づくワークショップを通じて実践教育を行う。
ベンチャー企業向けプログラムの第2次募集も開始。第1次募集は8月に募集が行われ、現在6社との協業が進んでいる。レスク社との「電動バイク用可搬バッテリ管理」の実現などの形で実を結んだ。
第2次募集は2014年1月を予定する。