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ビッグデータとウェアラブル端末で設備保守を効率化、浄水場にて実証実験

富士通とメタウォーターが5月後半から

 メタウォーター株式会社と富士通株式会社は、ビッグデータ分析とウェアラブルデバイスを用いた設備保守点検業務の実証実験を、5月後半から12月末まで福島県会津若松市の滝沢浄水場にて開始する。

 メタウォーターは、2013年から自治体向けに上下水道施設の点検作業にタブレットを活用する水道インフラ管理サービス「Smart Field Service」を提供しており、2014年4月からは滝沢浄水場の設備更新・維持管理事業に着手している。これらの事業において、さらなる業務の高度化・効率化を図ることが実証実験の目的。

 実証実験では、滝沢浄水場の設備保守点検業務において「ビッグデータ分析による設備維持管理の高度化」と「ウェアラブルデバイスによる作業員の作業効率化・技術伝承」を目指す。

 設備維持管理の高度化においては、設備の操作履歴、稼働ログ、モーターの回転数、水圧などセンシングされたビッグデータを基に、機器故障の予兆検知が可能かを検証する。また、過去の気象データと水質データの相関関係を分析し、水質を予測し、薬剤投入コストを削減できるかを検証する。

 作業効率化・技術伝承においては、設備保守点検作業にヘッドマウントディスプレイ(HMD)とウェアラブル入力デバイス、AR技術を採用。作業対象の機器操作時に中央監視室のデータ(ほかの関連設備の状況など)をHMDに表示し、影響を確認しながら作業をすることで作業品質は向上するか、また、熟練作業者の点検作業をHMDに搭載されたカメラで録画し、技術伝承に効果が得られるかを検証する。

川島 弘之