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テラスカイとサーバーワークスが資本・業務提携、複数のクラウドを組み合わせたサービスを提供

 「この提携によって、大手にも負けない経験とマンパワー、技術者の深さと厚みを持たせることができる」――。株式会社テラスカイと株式会社サーバーワークスは4日、資本業務提携を行うと発表した。

 それぞれが行う第三者割当増資を互いに引き受けることで、テラスカイはサーバーワークスの発行株式の約34%を、サーバーワークスはテラスカイの発行株式の約11%をそれぞれ所有し、サーバーワークスはテラスカイの持ち分法適用会社となる。

サーバーワークスの大石良社長【左】と、テラスカイの佐藤秀哉社長【右】

複数のクラウドを組み合わせたハイブリッドサービスを提供

資本業務提携のポイント

 今回の提携の狙いについて、テラスカイの佐藤秀哉社長は「互いに足りない部分を補うため」と説明する。

 テラスカイには100名以上のSalesforce認定資格者が在籍しており、Salesforceのクラウドサービスに関連したSIビジネスで実績を重ねてきたが、「クラウド時代では、1つのプラットフォームだけで完結することは少なく、Salesforceで足りない部分をAWSで実装したい、あるいは明らかにAWSが向いているといった案件が増えている」(テラスカイの佐藤社長)のだという。

 サーバーワークスにとってもこれは同じで、自社単独では、提供できるサービスの範囲が限定されてしまっていたのが課題だった。「2008年からいち早くAWSのサービスの外販を始め、130社以上の導入実績を持つほか、その価値を最大限生かすための自動化ツールなどを提供。AWSに特化したSIerとしてサービスをデリバリしているが、自社だけではAWSしか扱えない」(サーバーワークスの大石良社長)。

 しかし両社が提携することで、Salesforceに強いテラスカイと、Amazon Web Services(AWS)で実績のあるサーバーワークスが協業することにより、SalesforceベースのSaaSとPaaSはテラスカイ、AWSベースのIaaSはサーバーワークスといった形で、両社によるフルスタックのクラウドインテグレーションサービスを提供可能になり、ユーザー企業が必要とするシステムの構築、サービスの提供をより柔軟に行えるようになる。

 これについてテラスカイの佐藤社長は、「Salesforceは完成されたプラットフォームだが、大きなデータに弱いといった弱点があり、何千万件、何億件と言ったデータをバッチ処理で朝までに終わらせる、といったことは苦手。このため、いったんAWSへ出して処理してから書き戻す、といった運用を実際にやっているところがある。また、Salesforceのストレージはデータベース付きなので高いことから、大容量でデータベース化する必要がないファイルをAmazon S3にストアする、といったソリューションも提供中だ。こうしたソリューションを今後も生み出して提供していく」と述べた。

提携による新サービスの例。なおテラスカイでは、複数のパブリッククラウドサービスを組み合わせて利用することも、ハイブリッドクラウドと呼んでいる
資本提携の形態

 なお両社では、あわせて30数名のAWSエンジニアを早期で100名体制まで拡充したい考え。またビジネスについても、3年後に現在の約3倍となる50億円の売上高を達成するとしている。

 また、単なる業務提携にとどまらず、資本提携まで踏み切った背景については、「業務提携だけだといつでも解消できるし、ノウハウを出し合って一緒にやっていく関係ができるかというと疑問。そのため、もう少しコミットした形にした」(テラスカイの佐藤社長)と説明。佐藤社長がサーバーワークスの役員にも就任し、決算期も合わせて、会計も1つに見えるようにしていくとの考えを示した。

石井 一志