テラスカイ、セールスフォースのアプリ提供6社と提携

「SkyVisualEditor」を中核にしたエコシステム構築へ


 株式会社テラスカイは27日、Salesforce CRM、Force.comの画面を自在に作ることができるツール「SkyVisualEditor」のバージョンアップにともない、セールスフォースでアプリケーションを開発、販売している国内ベンダー6社と提携することを発表した。この提携により、「SkyVisualEditor」を中核とするエコシステムを構築する。

 「SkyVisualEditor」は、2007年8月のサービス開始当初より「SkyEditor」と呼ばれていたサービスと同一のもの。2010年10月にSaaS型のサービスパッケージとして「SkyVisualEditorV2.0」を提供し、今回、新機能の追加にあわせてバージョンアップを行い「SkyVisualEditorV3.0」となった。

 新バージョンでは、新たな機能として、各ベンダーや開発者が提供する部品(コンポーネント)をセールスフォース画面に組み込むことを可能とした。これにより、「SkyVisualEditor」のユーザーに対し、従来まで提供していなかった幅広いアプリケーションを提供できるようになる。そして、この機能拡張にあわせ、テラスカイでは、セールスフォースで使用できるアプリケーションを開発・提供している6社との提携を実施する。

テラスカイ代表取締役社長の佐藤秀哉氏

 今回の提携発表にあたって、テラスカイ代表取締役社長の佐藤秀哉氏は、「Salesforceの標準サービスの画面は、可用性を維持するため、最大2列のデータ表示で、文字色やサイズの変更ができない、一画面で複数データの入力ができないなどの課題があった。一方で、SI事業者に画面の開発を委託する場合は、時間やコストが膨大にかかってしまう。こうした課題を解決するためのツールが『SkyVisualEditor』であり、コーディングすることなく、ドラッグ&ドロップの操作で簡単かつ短期間にSalesforceの画面を作成できる」と、「SkyVisualEditor」の製品概要を紹介。

 提携の狙いについては、「6社のベンダーとの提携によって『SkyVisualEditor』のエコシステムを構築していく。これにより、『SkyVisualEditor』のユーザーは、SI事業者による支援を受けることなく、画面上のドラッグ&ドロップなどにより各提携アプリケーションを使用することができるようになる。すでに、米国では、エコシステムを構築して開発を進めるベンダーが増えており、これからのクラウド時代では、この仕組みが主流になってくるだろう」との考えを示した。


Salesforce画面の3つの課題SkyVisualEditorでのエコシステム

 エコシステムを構築するのは、バリオセキュア・ネットワークス株式会社、株式会社インタームーブ、株式会社オークニー、株式会社ジラッファ、株式会社フロンティアワン、アクセラテクノロジ株式会社の国内ベンダー6社。提携発表会には、各社の代表が同席し、エコシステム構築に向けたコメントを述べた。

 インタームーブ 代表取締役の神谷元教氏は、「当社では、簡単操作で日本独特の会社組織に適した申請承認ワークフローを作成できる『AppMoveワークフロー』を提供する。これまで、『SkyVisualEditor』で作成した画面をインテグレートするためにはコーディングが必要だったが、今後はドラッグ&ドロップで連携コンポーネントを埋め込むだけで連携が可能となり、より多くの開発者に便利に使ってもらえると期待している」と語った。

 オークニー 代表取締役の森亮氏は、「当社が提供するのは、位置情報を可視化してオペレーションの最適化を図る地図連携クラウドアプリケーション『Orkney GeoGraph』。このツールは、さまざまな機能を備えているが、各機能をカスタマイズで使えるように切り出して、『SkyVisualEditor』のコンポーネントとして提供していく。提供時期は未定だが、『Orkney GeoGraph』の新バージョンがリリースされる来春のタイミングを見ながら、提供時期を固めていく」と、今後の計画を明かした。


インタームーブ 代表取締役の神谷元教氏オークニー 代表取締役の森亮氏

 ジラッファ 代表取締役社長の成戸朗氏は、「Salesforceで管理する取引先や商談、ユーザー自身の活動データを時間軸に沿ってガントチャートで視覚化できるツール『SuperGanttChart』を提供する。当社では、このほかにプロジェクト管理ツールの『SuperProject』も主力製品として展開しているが、まずは多くのユーザーが利用している『SuperGanttChart』から連携対応を行っていく」との考えを示した。

 フロンティアワン 代表取締役の鍋野敬一郎氏は、「当社は、ERPのコンサルティングを主業務としているが、初のアプリケーションとして、Salesforce上でExcelファイルを共有、一元管理、編集することができるツール『F1-Sheet』を開発した。現在、AppExchangeへの登録準備を進めているところで、今後『SkyVisualEditor』との連携コンポーネントも提供していく」としている。


ジラッファ 代表取締役社長の成戸朗氏フロンティアワン 代表取締役の鍋野敬一郎氏

 1stホールディングス代表取締役社長の内野弘幸氏は、「今回、当社グループ企業の製品の中から、バリオセキュア・ネットワークスのクラウドBIダッシュボード『Motionboard for salesforce』を、『SkyVisualEditor』のエコシステムに提供する。同製品は、Salesforce上に展開する取り組みも進めているが、すでに多くのユーザーが利用している『SkyVisualEditor』と連携することは大きなビジネス効果があると考えており、今後、エコシステム構築に力を注いでいく」と意欲を見せた。

 なお、アクセラテクノロジでは、エンタープライズサーチ製品の「BizSearch」を連携コンポーネントとして提供する予定。


1stホールディングス代表取締役社長の内野弘幸氏
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(唐沢 正和)
2012/11/28 10:20