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米Treasure Data、クラウド型ビッグデータプラットフォームを日本市場で本格展開

米Treasure Data CEO兼トレジャーデータ 代表取締役の芳川裕誠氏

 米Treasure Dataは20日、同社が開発したクラウド型のビッグデータプラットフォーム「Treasure Data Platform」のグローバル市場および日本市場における事業戦略を発表し、日本国内での本格的な事業展開を開始した。

 今回の事業戦略発表にあたり、米Treasure Data CEO兼トレジャーデータ株式会社 代表取締役の芳川裕誠氏が、まず同社の事業概要について説明。「当社は、ビッグデータ基盤をクラウド上で提供することを目的に、私を含め、Hadoopやオープンソースソフトウェアなどの分野で技術力をもつ3人で2011年12月に米国カリフォルニア州で創業した。そして、昨年9月に、『Treasure Data Platform』の商用版サービスをグローバル市場で正式スタートした。現在では、米国を始めとする世界各国で約70社の企業に導入されている」という。

 「日本市場については、昨年9月の正式スタート前の試験運用時から、多くの企業に『Treasure Data Platform』が利用されており、日本のソフトウェアエンジニアが世界で十分に通じることを確信した。そこで、日本企業へのさらなる普及を図る事業開発拠点というだけでなく、米国本社と一体になってサービスを開発していくための拠点として、昨年11月に日本法人を設立した」と、芳川氏は、日本法人の狙いを述べた。

 同社が展開する「Treasure Data Platform」は、自社開発の技術とHadoopを融合させた技術をベースにしたもので、ユーザー企業が抱える大容量のデータをクラウド上に吸い上げ、データ処理・分析基盤を提供するワンストップアナリティクスプラットフォームとなっている。

トレジャーデータ株式会社 ジェネラルマネージャーの堀内健后氏
「Treasure Data Platform」のサービス概要

 トレジャーデータ株式会社 ジェネラルマネージャーの堀内健后氏は、「『Treasure Data Platform』は、『インポート』、『ストア』、『可視化』の3つの構成要素に分かれている。まず、『インポート』では、ユーザー企業のシステムにあるデータをクラウド上のビッグデータプラットフォームに収集する機能を提供する。『ストア』では、自社開発した列指向型データベースとHadoopを融合し、収集したデータを高速かつ設計不要で蓄積できるサービスを提供する。そして、『可視化』では、専門知識がなくても、一般的なデータベース言語を使ってデータ抽出、分析ができる仕組みを提供する」と、「Treasure Data Platform」のサービス概要を説明した。

 「同サービスを短期間のうちに、かつ少ない初期投資で導入することで、ユーザー企業はプラットフォームの管理や運用にかかる時間とコストを削減できる。さらに、バッチ処理やデータ集計の高速化を図ることで、データの分析業務だけに集中し、素早い経営判断が可能となる」(堀内氏)としている。

「Treasure Data Platform」の事業展開

 現在、「Treasure Data Platform」は、大規模なセンサーデータを扱う製造、流通・小売、広告・出版、インターネットサービス、金融などの業界でサービスの利用が進んでおり、約70社のユーザー企業から4000億件以上のデータをクラウド上で分析処理し、1日2万件以上のバッチ処理を行っているという。

 今後の事業展開について芳川氏は、「『Treasure Data Platform』を利用している国内企業は約30社にのぼっており、今後も日本市場をグローバルの中でも最重要市場と位置づけ、事業展開を本格化していく。2013年中に、日本国内で50社、グローバルで合計150社への導入を目指し、売上を2012年の5倍に拡大させる」と意欲を見せた。

 なお、日本市場での販売は、米Treasure Dataおよび日本法人と販売代理店契約を締結している1stホールディングス株式会社、サイオステクノロジー株式会社を通じて行われる。

(唐沢 正和)