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A10、高度な暗号化処理機能を高速化した「Thunder ADCシリーズ」の新ハードウェア

 A10ネットワークス株式会社(以下、A10)は6日、アプリケーションデリバリコントローラ(ADC)「Thunder ADCシリーズ」の新モデルを、日本市場で順次提供開始すると発表した。いずれも、PFS(Perfect Forward Secrecy)/ATS(App Transport Security)対応のSSL暗号処理を高速化する「第3世代SSL/TLS専用ハードウェア」を搭載し、SSL処理性能を向上させている。

 現在、Webサイトでは常時SSL(暗号)化への対応が進んでおり、グローバルでは50%近く、日本でも25%近くのトラフィックが暗号化されているという。またPFSやATSで使用される楕円曲線暗号(ECC)などの高度な暗号処理も普及しており、特にATSでは、アプリケーションの通信方式としてHTTPSかつPFSに対応した暗号スイートを必須としているため、アプリケーション事業者の対応は急務になっているとのこと。しかし、PFS/ATS対応の暗号スイートは、従来の暗号方式と比べて処理負荷が高くなってしまう点が課題とされていた。

 今回A10が提供するThunder ADCシリーズの新モデルは、処理負荷の高いPFS/ATS暗号スイートの処理を高速化できるよう、第3世代SSL/TLS専用ハードウェアを搭載。旧モデルと比較して約10倍、同価格帯の他社製品と比較しても最大2倍の処理性能を備えているという。

 ユーザー企業はこれを利用することで、新モデルが提供するアプリケーション配信とサーバーロードバランシング機能を利用すると、処理負荷の高いSSL/TLS処理をWebサーバーからオフロードでき、アプリケーション配信速度を高速化可能なことから、サービス利用者に対して、より安全で快適なサービスを提供できるとしている。

 なお、第3世代のSSL/TLS専用ハードウェア搭載の最新モデルは、Thunder ADCシリーズだけでなく、SSL可視化製品「Thunder SSLi(SSL Insight)」、ファイアウォール/クラウドプロキシ製品「Thunder CFW(Convergent Firewall)」でも提供される。Thunder SSLiでは、PFS/ATS対応暗号スイートのSSL/TLS通信の可視化において、40Gbps以上のトラフィックを可視化できるとのことだ。

 新モデルは、Thunder ADC、Thunder SSLi、Thunder CFW各シリーズのThunder 3040S/3230S/3430S/4440S/5330S/5440S/5840Sで提供され、3040S/4440S/5440S/5840Sの新モデルは、同日より提供を開始する。3230S/3430S/5330Sの新モデルは2017年第3四半期の提供開始予定。

 A10では、6月7日~9日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2017」の同社ブースにて、新モデルの展示を行うとのこと。

第3世代のSSL/TLS専用ハードウェアを搭載したThunder 4440S