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TIS、IaaSのサービス基盤としてニュータニックスのHCI製品を導入

 ニュータニックス・ジャパン合同会社(ニュータニックス)は30日、TIS株式会社が、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の「Nutanix Enterprise Cloud Platform(ECP)」を採用したと発表した。TISでは、専有型IaaSサービス「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service - HOSTED PRIVATE Service」(以下、HPS)のサービス基盤としてNutanix ECPを利用している。

 TISでは、東京および大阪のデータセンターを基盤に、クラウドサービス「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」を展開している。今回Nutanix ECPを導入した「HPS」は、その中の専有型IaaSサービスで、従来は、サーバー・SANネットワーク・ストレージを組み合わせる3層構造のアーキテクチャを採用していた。そのため構成機器が多く、ストレージやネットワークの管理負荷が大きくなる課題を抱えていたという。また同時に、ビジネスの拡大に応じて柔軟に拡張できる基盤が望まれていたとのこと。

 そこでTISでは、拡張性に富む基盤を構築できるHCI製品の導入を検討。複数ベンダーの製品を比較した結果、Nutanix ECPを採用した。Nutanix製品は、TISの仮想デスクトップインフラ(VDI)基盤として導入実績があったほか、エンドユーザー向けのインテグレーションでも活用した実績があり、信頼性が高く評価されていたという。

 「HPS」での導入にあたっては、先行して実績のあったチームからメンバーを招集し、ハードウェアの調達から構築までを2カ月の短期間で行っている。現在、TISが提供する専用型IaaSやPCI DSS準拠のIaaS基盤にNutanixが採用されており、すでに一部ではノード追加などの拡張が行われているとのこと。

 特にPCI DSS準拠のIaaS基盤は、2020年に向けたPCI DSS準拠の必要性から多くの引き合いがあるとのことで、TISが提供するリテール決済ソリューション「PAYCIERGE」の基盤の一部としても使われている。

 なお、クラウドサービス基盤としてNutanixを導入した結果、全体的な工数が削減されており、以前は全体構成のフィジビリティスタディ(実行可能性調査)も含めて2~3カ月程度かかっていたものが、Nutanixで標準化したことで1カ月未満に短縮している。

 さらに、Nutanixで基盤を標準化することにより、従来の3層構造に比べて構成機器数を抑えられた点もメリット。それぞれの機器に精通したエンジニアを確保する必要がなくなり、エンジニアの教育コストや人件費を3分の1ほどに抑えられるのではないと期待されている。