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札幌市、仮想ブラウザの基盤にニュータニックスのHCI製品を採用

 ニュータニックス・ジャパン合同会社(ニュータニックス)は23日、札幌市が、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズ」「同 NX-8000シリーズ」を採用したと発表した。アプリケーションの仮想化基盤として利用されている。

 札幌市では、総務省が通達した「自治体情報システム強靭性向上モデル」に基づき、セキュリティ強靭化事業を行う必要が生じた。その中で、インターネットに接続するネットワークと、LGWAN(統合行政ネットワーク)など、ほかの業務ネットワークを物理的に分離する“インターネット分離”に取り組むにあたって、仮想化環境の導入を検討。コストおよび稼動までの期間を考慮すると、仮想デスクトップインフラ(VDI)による端末全体の仮想化ではなく、Webブラウザの仮想化を実施することにした。

 その際に、事前の設計や構築時間の短縮といった観点から、サーバーやストレージなどがすべて統合されたHCI製品に着目。事前検証の結果、環境構築の時間が大幅に短縮されるだけでなく、運用の負担軽減も期待でき、起動時間も早いことで利用者の利便性も向上すると判断して、HCIを前提とした入札を実施し、最終的にニュータニックスのHCI製品が採用されたという。

 現在進めているインターネット分離のプロジェクトでは、インターネット接続に利用するInternet Explorer(IE)だけが仮想化されている。具体的には、デスクトップPC上のIEアイコンをクリックすると、サーバー上でIEが起動し、業務システムで利用されるネットワークとは異なるネットワークを経由してインターネットに接続される仕組み。約1万4000ユーザーの利用を想定し、80台の仮想サーバーがNutanix Enterprise Cloud Platform上で稼働する計画だ。

 また、情報漏えい対策としてシステム監視を行うための媒体制御プロジェクトもセキュリティ強靭化事業の1つとして動いており、このインフラにもNutanixが採用された。現在、インターネット分離とシステム監視を含めた媒体制御の両プロジェクトで、Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズが16ノード、同 NX-8000シリーズが4ノード導入されている。