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ティントリ、仮想化専用ストレージ「Tintri VMstore T5000」に3次元NAND型フラッシュを採用
Tintri VMstoreをスケールアウトに対応させるソフトウェアも
2016年6月8日 15:59
ティントリジャパン合同会社(以下、ティントリ)は6日、仮想化専用ストレージ「Tintri VMstore」のオールフラッシュモデル「Tintri VMstore T5000」において、3次元NAND型フラッシュを採用すると発表した。また同時に、スケールアウトソフトウェア「VMスケールアウト」を提供する。
Tintri VMstoreは、仮想マシン(VM)を認識するストレージ(VM aware storage)で、例えば、あるVMの性能が極端に落ちてしまった場合に、サーバー、ネットワーク、ストレージといった各レイヤでのレイテンシを可視化できることから、管理者はどこに原因があるのかを容易に特定できる特長を持つ。
そのオールフラッシュモデルであるT5000シリーズは、フラッシュとHDDのハイブリッド型である「Tintri VMstore T800シリーズ」では対応できない、テラバイトを超えるようなデータをフルスキャンするDWHや、巨大なデータベース、ビッグデータ、エンジニア系の仮想デスクトップといったアプリケーションで有効だという。
今回はそのT5000シリーズの全モデルにおいて、コスト効率の高い3次元NAND型フラッシュを採用。従来と比べて最大4倍の容量拡張を実現し、容量単価を最大1/4まで削減した。3次元NAND型フラッシュ採用後の論理実効容量は、従来が最大18TBだった「T5040」が最大77TBに、最大36TBだった「T5060」が最大154TBに、最大72TBだった「T5080」では最大308TBになる。また、それぞれのモデルごとに、筐体内で容量拡張が可能なタイプも新たに用意したとのこと。
参考価格(税別)は、T5040が2300万円から、T5060が3900万円から、T5080が5900万円から。
さらに、同時に提供されるVMスケールアウトを利用すると、Tintri VMstoreをスケールアウトストレージとして利用可能。仮想マシン単位で挙動を把握し、複数のTintri VMstoreで構成されたストレージプール内の適切な筐体に分散配置を行えるようになる。
ストレージOSはTintri OS 4.2以上に対応し、ハイブリッドモデル、オールフラッシュモデルの混在もサポート。性能の異なる両モデルを混在させることにより、筐体間での自動階層化を実現する。
従来のTintri VMstoreと同様、LUNやボリュームを意識することなく、Tintri VMstoreの筐体を追加するだけでストレージプールは拡張でき、複数の筐体を1つの画面から統合管理可能。ティントリでは「スケールアウト構成時もVMware、Hyper-Vのマルチハイパーバイザーの混在をサポートし、16万台のVMが稼働するIT仮想環境でも、1名のストレージ管理者で運用できる。クラウドサービスプロバイダやデータセンター事業者など、多くのユーザーからさまざまなワークロードを高速かつ安定稼働させることが必要不可欠な仮想環境などに最適」とした。
なお、VMスケールアウトと3次元NAND型フラッシュ搭載のT5080 32台の組み合わせで構成した場合、論理実効容量は10PB、パフォーマンスは640万IOPSまで拡張可能としている。
VMスケールアウトのライセンスは、「Tintri Global Centerアドバンスド」オプションの1機能として提供され、価格(税別)は360万円。ストレージプールに含まれる各筐体単位で購入する必要がある。