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大塚商会、実践ソリューションフェア2013開幕~“リアルな”コスト削減効果を数値で提案
(2013/2/7 06:00)
株式会社大塚商会は6日、プライベートフェア「実践ソリューションフェア2013」を、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京でスタートした。
実践ソリューションフェアは、大塚商会が毎年この時期に開催している独自展示会で、東京では2月8日の金曜日まで開催される。今後、大阪で2月13日・14日(会場:大阪国際会議場 グランキューブ大阪)に、名古屋で2月21日・22日(会場:ヒルトン名古屋)にそれぞれ開催する予定となっている。
今年は「ITで経費を見直し、元気をおとどけ。」をテーマに、約300のシステムの展示、セミナーが開催されている。タイトルに「経費を見直し」とあるように、具体的なコスト削減ポイントをさまざまな角度から紹介していることが、展示会の特長だ。
事前登録の受付は締め切られているが、展示会や満席でない講演は、当日でも入場可能とのこと。
展示コーナーは、「ネットワークを見直す」、「オフィスを見直す」、「システムを見直す」という3つのテーマに分かれた展示と、それぞれのテーマを企業でどう実践していくのかを紹介するテーマステージ、モデルオフィスによって構成されている。
テーマごとに、各ブースでは事務機器メーカーの最新製品、ITベンダーの最新製品、大塚商会の独自製品などが紹介され、商品という切り口、デモでの利用シーンという二つの切り口から展示が行われている。商品の切り口では、BCP、仮想化、セキュリティなど最新のITトレンドに対応した展示や、製造業、流通業など業種別ソリューションの展示などが行われた。
消費電力の見える化で電力コストを把握
それに対し、中央に設けられたテーマステージでは、現在の企業が抱える問題点とその解決方法を、寸劇形式で紹介。実際には最新技術を利用したソリューションだが、わかりやすく、企業が直面する課題を切り口に紹介していることが特長となっている。
寸劇に登場するのは、司会の女性とファッション系輸入商社「たよれーる商事」のやり手女社長である滝川さんと、IT企業からたよれーる商事に転職してきた田中さん。
「オフィスの見直し」では、田中さんは滝川社長から消費電力の見直しを求められる。電気料金が値上がりしたために、たよれーる商事も節電が必要になったのだ。そこで田中さんが司会の女性に相談すると、「電力の見える化ソリューション」を導入することが提案された。
大塚商会では、エネルギー管理システム導入促進事業のBEMSアグリゲータに採択され、補助金を活用したBEMS導入の提案を顧客に提供することが可能となった。こうしたビル全体を管理するBEMSも「電力見える化」(人に見せられるようにする、という意味で大塚商会では「見せる化」という表現も使っている)の1つだが、会場ではその紹介に加えて、リアルタイムで電力を計測し、収集データを無線で送信して社内の電力使用状況を把握できるスマートコンセント「プラグワイズ」、受信設備に設置する「デマンド監視装置」の展示も行われている。
サポートが終了するWindows XPからの乗り換えも訴求点の1つ
たよれーる商事の電力使用状況を見える化したところ、会社から人がいなくなる夜中でもパソコンの電力使用量が多いことが判明。滝川社長からは、「ITの会社にいたんだから、田中君なんとかして!」と檄が飛ぶ。
理由を探すと、たよれーる商事ではWindows XP搭載パソコンが依然としてたくさん使われていることが判明した。Windows XPは、2014年4月に日本マイクロソフトのサポート期限を迎える上、古いパソコンの場合は、消費電力が新しいパソコンと比較して圧倒的に多い。「パソコンによっては、古いパソコンの消費電力が100W程度かかるのに対し、新しいパソコンは10W程度と圧倒的に消費電力が違います」と田中さんが説明すると、滝川社長も納得した様子。
実際に会場では、タブレットやUltrabookなどの最新端末を触って、新しいパソコンやOSの優位性を確認できる展示コーナーが設けられているほか、前述のスマートコンセントを使ったパソコンの消費電力測定も行われており、最新製品とWindows XPパソコンの消費電力の違いを体感できる。
すぐに消費電力を下げる方法として、白熱電球からLED電球への交換も提案された。会場内には大塚商会が販売するLED電球をはじめ、直管蛍光灯タイプ、水銀灯タイプ、投光器タイプ、街路灯タイプなどのラインアップが展示され、それぞれの消費電力比較を紹介している。
オフィスの見直す提案として田中さんはもう一つ、「どこでもキャビネット」の利用を提案。どこでもキャビネットは、大塚商会が提供する法人向けオンラインストレージサービスだが、テーマステージでは複合機、スマートフォンなどと連動し、どこからでもスマートフォンやタブレットなどの端末を使って、オフィス内のデータを利用できるサービスとして紹介された。
また、リコーのフルカラー複合機で「Quickスキャン V2」を使って紙文書を電子化し、オフィスに置かれた紙のキャビネットを丸ごと電子化して、わかりやすく利用するソリューションの紹介も行われた。
スマートフォンやタッチインターフェイスの活用なども訴求
「システムを見直し」では、滝川社長は「それだけスマートフォンが便利なら、スマートフォンを使ってPOSレジの見直しができないの?」という提案が。田中さんは慌てたものの、司会の女性からは株式会社プラグラムの「スマレジ」が提案された。この製品はiPhone、iPadとクラウドを活用することで、通常のPOSレジでできる決済業務をはじめ、売り上げ集計、インターネット経由での店舗別売り上げ管理、月別売り上げ管理などが行える。POSレジを導入した場合に比べ、約22%のコスト削減が可能となる。
売り上げデータに関しては、たよれーる商事で利用している大塚商会の業務システム「SMILE BS 2nd Edition」を利用した販売管理を実現。Windows 8対応となったことで、マルチタッチや、画面の拡大、縮小といった操作が簡単に行えることから、細かい数字も見えやすく表示することができることがデモで紹介された。
マルチデバイスやコラボレーションツールへの対応は?
「ネットワークを見直し」では、円安で仕入れ値があがり、売値をどの程度まであげれば利益を出すことができるのかを悩んでいる滝川社長に、田中さんが、大塚商会が提供するネットワークサービス「どこでもコネクト」を使って店舗と事務所を結ぶことを提案した。
どこでもコネクトは、マルチデバイス、マルチキャリア対応で、インターネットがつながる環境であればどこからでも利用できる。暗号化により、企業にとって機密データでも安心してやりとりすることができる。万が一、暗証番号が漏れるような事態が起こっても、登録されたデバイスからのみアクセスできる仕様となっているので、外部デバイスからはアクセスすることができない。
さらにネットワークの見直しとして、滝川社長が困っている新店舗の店長とのコミュニケーションを、高速ネットワークと日本マイクロソフトのLyncを使ってフェイス・トゥ・フェイスで行うことを提案。滝川社長が店舗に出向く回数は少なくとも、店長とコミュニケーションを行う機会が増えることで、問題解決の糸口となりそうで、滝川社長も笑顔を見せた。
このほか、会場ではマイクロソフトのソリューションを集めた展示コーナーや、製造業向けの3Dプリンタや、3Dプリンタに利用するための3次元スキャナなど、なかなか目にすることができない商品も展示されている。