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Dell Technologiesのブランドファミリーが1カ所に集結――、Dell EMC World 2017が開幕

初日基調講演レポート

 米Dell Technologiesは、2017年5月8日~11日(現地時間)まで、米ネバダ州ラスベガスのサンズエキスポおよびザ・ベネチアン、ザ・パラッツォで、「Dell EMC World」を開催している。

 今年のテーマは、「REALIZE(リアライズ)」。EMCはDellに買収される以前から、毎年5月にラスベガスでプライベートイベント「EMC World」を開催していた経緯があり、今年は、これをDell EMC Worldとして開催した。

 一方、Dellは毎年秋にDell Worldを米国オースティンで開催。昨年10月には、統合後6週間のタイミングでの開催となったこともあり、初めてDell EMC Worldの名称を使用した。だがDell Technologiesでは、今回のDell EMC Worldを「Dell Technologiesのブランドファミリーが1カ所に集まる初めての会議」と位置づけている。

 会場には、全世界122カ国から1万3500人以上が参加し、過去最高の参加者を記録。そのうち、日本からは137人が参加したという。

 会期中には、Dell Technologiesのマイケル・デル会長兼CEOなどによる基調講演のほか、500以上のブレークアウトセッション、ハンズオンラボなどが用意され、約20本のニュースリリースの発表、約30本のブログポストが行われ、新製品や新サービスがめじろ押しのイベントとなった。また、展示会場には、135社が出展し、最新のソリューションを紹介した。

ラスベガスで開催されているDell EMC World
1万3500人以上が参加している
今年のテーマは「REALIZE」

スタートアップのようなイノベーションを起こし、かつ世界最大の規模を活用

 開催初日午前10時から行われたオープニング基調講演では、Dell Technologiesのデル会長兼CEOが登壇。「Realize Your Digital Future」をテーマに、同社の今後の方向性やビジョンについて講演した。

 冒頭、デル会長兼CEOは、「父が計算機を家に持ってきたときに、複雑な数式がすぐに解け、マジックのように感じた。しかし、これはマジックではなく、科学であった。それから45年を経過し、計算機は、人間の進歩を促進させ、ビジネスを変えるようになった。これも魔法のように感じるが、実際には科学である」などと切り出す。

 そして、「今では、SaaS企業の100%、IaaSにおけるトップ20のプロバイダーの9割がDell Technologiesを利用し、さらに自動車や小売、銀行、保険会社などのトップ20の企業のすべてがDell Technologiesを利用している。また、最も急速に成長している企業の100社のうち、89%がDell Technologiesを利用している。これらの企業は、世界や業界を変え、プロセスを変え、デジタル変革を行うことに取り組んでいる企業である。Dell Technologiesは変革のための推進役になりたい。デジタル変革を行う企業にとってのパワーの増幅器でありたい」などと述べた。

Dell Technologiesのマイケル・デル会長兼CEO

 また「Dell Technologiesでは、Dell、DELL/EMC、Pivotal、SecureWorks、Virtustream、VMware、RSAという7つのテクノロジーのリーダーのブランドが、ひとつの名前のもとに協力している。PC、サーバー、仮想化、セキュリティ、クラウドインフラ、ハイブリッドクラウド管理、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)、ソフトウェア・ディファインド・データセンター(SDDC)のすべてのナンバーワンがそろった企業である」とアピール。

 「このユニークな構造によって、スタートアップ企業のようなイノベーションを起こし、それでいて世界最大の規模を活用できる。Gartnerのマジッククアドラントでは15の分野でトップであり、2万以上の特許を保持し、年間45億ドルのR&D投資を行い、それを強力なサプライチェーンがバックアップしている企業である。そして、非公開企業であり、長期的な観点で投資を行うことができる点も大きな特徴。つまり、顧客にとっては、最高のテクノロジーパートナーであり、最高のイノベーションを、高い品質で、高い価値で提供でき、顧客の投資を最大限に生かせる企業だ」と話している。