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Dell Technologiesのブランドファミリーが1カ所に集結――、Dell EMC World 2017が開幕

初日基調講演レポート

すべてのアプリケーションを対象にしたハイブリッドクラウド戦略

 基調講演の後半に登壇したのが、Dell EMCのデビッド・ゴールデン プレジデントである。

 講演のなかでは、14世代目となるPowerEdgeサーバーやSoftware Defined Storageを発表。IsilonやUnityでのオールフラッシュストレージシステムの投入のほか、HCI、ハイブリッドクラウド、統合データ保護アプライアンスのリリースおよびクラウドデータ保護ポートフォリオの拡張をそれぞれ発表。また、HCIの新機能および導入のハードルを下げることができる、クラウド方式の新たな導入モデルも発表した。

Dell EMCのデビッド・ゴールデン プレジデント

 ゴールデンプレジデントは、「Dellは、デジタルトランスフォーメーション、ITトランスフォーメーション、ワークフォーストランスフォーメーション、セキュリティトランスフォーメーションの4つに取り組んでいる」としながら、「CIOが持つ課題は、コスト削減の要求とともに、セキュリティの強化、アジャイル開発などの新たな手法の導入が求められている点。さらに、ビジネスイノベーションが求められている。ワークフォースの変革にも取り組む必要がある。そして、デジタル変革のリーダーにならなくてはならない。そのためには、ITトランスフォーメーションを進める必要がある。データセンターの先進インフラ化、ITサービスの自動化、ITオペレーションという3つの変革を進めなくてはならない」などとし、この日の主題となったITトランスフォーメーションの領域で発表した数々の新製品について紹介した。

 ここでは、「クラウド」、「インフラストラクチャ」、「サービス&コンサンプション」の3つの観点から話を進めていった。

「クラウド」、「インフラストラクチャ」、「サービス&コンサンプション」の3つの観点から話を進めた

 「クラウド」では、「ビジネスの価値を生むのはアプリケーションであり、それが続々とクラウドに移行している。だが、ここでいうクラウドとは場所のことを指すのではなく、運用モデルのことを指す。クラウドのITインフラはサービスの進化によって強化されることになり、さまざまな領域において柔軟な支払い方を求める声が増加している。それに伴って、われわれの戦略も変化している」とし、「ほとんどのクラウドは、汎用アプリに重点を置き、さらにクラウドネイティブの領域にフォーカスしているが、われわれは、これまでは誰もクラウドで利用することを考えなかった、ミッションクリティカルの領域に焦点を当てている。つまり、すべてのアプリケーションを対象にしたハイブリッドクラウド戦略を持っている」と述べた。

 汎用的なアプリやクラウドネイティブアプリ、ミッションクリティカルアプリにおいては、それぞれを稼働させる際にVMwareを活用し、環境管理では、汎用アプリではVMware、クラウドネイティブアプリではPivotal、ミッションクリティカルアプリではVirtustreamを活用。さらに、ミッションクリティカルアプリのオンプレミス環境においても、今後は、Enterprise Hybrid Cloud for Virtustreamを活用できるようにすること、新たにVirtustream Health Careサービスを医療分野向けの基幹アプリとして提供を開始することなどを発表。

 さらに、クラウドネイティブアプリでは、PivotalとVMwareの連携により、開発者向けのNative Hybrid Cloudを提供していることを強調した。汎用アプリでは、オフプレミスにおいてIBM Bluemix Infrastructure(SoftLayer)やAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureを利用できることなどを指摘しながら、ここに多くのパートナー企業が参加していることを示した。

クラウドのすべての領域をカバーすることができる