仮想化道場

ハードウェア性能が強化された新しい小型サーバー「HP MicroServer Gen8」

 初代HP ProLiant MicroServer(以下、初代MicroServer)が登場して以来、なかなか新製品が発表されなかったが、3年を経てやっと新製品「MicroServer Gen8」が発売された。同じMicroServerという製品名が使われているものの、中身は全く新しく開発されている。

 今回は、この新しいMicroServer Gen8を細かく紹介していく。

HP ProLiant MicroServer Gen8。キューブ型パソコンのサイズだ。上部にスリムドライブのCD/DVDドライブがある。下部の足に近い部分には、LEDライトが入っており、電源を入れればブルーに光る
本体の上部には、USB 2.0ポートが2つ、CD/DVDのスリムドライブ(オプション)、右には電源ボタンがある
プロセッサ Celeron G1610T 2.3GHz(2コア/2スレッド、L3 2MB) or Pentium G2020T 2.5GHz(2コア/2スレッド L3 3MB)
メモリー DDR3-1333MHz(標準2GB、最大16GB)
チップセット Intel C204
オプティカルドライブ オプション
HDDベイ 3.5インチ×4台(ノンホットプラグ、6Gbs SATA×2台、3Gbs SATA×2台)、標準はディスクレス、最大3GB×4台(12GB)
拡張バス PCI Express Gen2×16(ロープロファイル、ハーフレングス)
ネットワーク 1Gbイーサネット×2ポート
リモート管理 iLO4
USB USB 2.0(前面2ポート、背面2ポート、内部1ポート)、USB 3.0(背面2ポート)
モニター VGAコネクタ
MicroSDスロット 内部に1スロット
グラフィック 1280×1024(32ビットカラー)、1920×1200(16ビットカラー)
電源 150Wノンホットプラグパワーサプライ
サイズ/重量 230×246×233mm/最大9.8kg
ノイズ 最大21デシベル
対応OS Windows Server 2012/2008/2008 R2/SBS、Linux

ハードウェア性能が強化された新しいMicroServer

 初代MicroServerは、プロセッサにAMDのAthlon II NEO N36L(1.3GHz、デュアルコア)を採用していた。1年後には、AMD Turion II NEO N40L(1.5GHz)に変わり、その後AMD Turion II NEO N54L(2.2GHz)に変更された。プロセッサの変更により、性能アップを果たしていたが、基本的には初代MicroServerの筐体やハードウェアが使用されていた。

 今回発表されたMicroServer Gen8は、全く新たに設計され、新しい筐体、マザーボード、プロセッサを採用している。

 MicroServer Gen8は、プロセッサにIvyBridge世代のCeleron GT1610T(2.3GHz)もしくは、Pentium G2020T(2.5GHz)が採用されている。2つのプロセッサの差は、動作クロックの差だけでなく、3次キャッシュメモリにも違いがある。Celeron GT1610Tは2MBだが、Pentium G2020Tは3MBとなっている(余談だが、Core i7では最大8MBの3次キャッシュメモリが搭載されている)。Celeron GT1610T、Pentium G2020Tともに、コア数は2コア。Hyper Threading(HT)はオフになっているため、2スレッドしかサポートされていない。

 仮想化支援関連の機能は、第2世代のVT-xはサポートしているが(EPTもサポート)、IOを仮想化するVT-dやTXTなどは対応していない。また、命令セットでもAVXやAES-NIはサポートされていない。

 Celeron GT1610TとPentium G2020TはIvyBridge世代のプロセッサなので、グラフィック機能のIntel HD Graphicsをプロセッサに内蔵している。ただし、このIntel HD Graphicsは、最低限のビデオ機能だけしか搭載しておらず、最上位グラフィックコアのIntel HD Graphics 4000のようなインテル クイックシンク、Intru 3Dテクノロジー、クリアビデオHDテクノロジーなどは利用できない。

 このように、Celeron GT1610T、Pentium G2020Tは、Core iシリーズの廉価版といった位置づけのプロセッサだ。しかし、22nmのプロセスで製造されたIvyBridge世代のプロセッサだけあって、初代MicroServerのプロセッサであるAMD Turion II NEOに比べると、大幅に性能アップし、消費電力も35Wと低く抑えられている。

 また、2スロット用意されたメモリスロットでは、DDR3-1333が使用でき、最大16GB(8GB×2枚)となる。ちなみに、初代MicroServerでは、ECC付きメモリが採用されていた(ECCなしのUDIMMも使用可能だった)。今回のMicroServer Gen8では、ECCなしのUDIMMが標準で添付されている(ECC付きメモリも使用可能。ただし、UDIMMと混在はできない)。

本体には、メモリスロットが2つ用意されている。標準では2GBのメモリが1枚しか装着されていない。メモリはDDR3-1333が使用できる
各種ケーブルを抜いて、マザーボードを引き出した。中央の大きな放熱フィンの下にプロセッサがある。その右横には、Gen8の自働化機能を実現するiLO4チップがある

 チップセットとしては、サーバー向けのインテル C204チップセットが採用されている。このため、MicroServer Gen8には3.5型ディスクベイが4つ用意されているが、2つ(1、2ベイ)しか6Gbps SATAに対応せず、残りの2つ(3、4ベイ)は3Gbps SATAになってしまう。このあたりは、C204自体の仕様ではあるものの、少し残念な気がする。

 C204のSATAポートを使い、HP独自のアレイコントローラソフト「Dynamic Smart アレイ B120i」が搭載されている。このアレイコントローラソフトは、ソフトウェアでRAID0/1/1+0をサポートしている。ただし、6Gbs SATAと3Gbs SATAが混在するため、高速なRAIDディスクとは言えない。

 RAID5を使いたいなら、MicroServer Gen8が持っているPCI Express Gen2×16の拡張カードスロットに、HP Smartアレイ P222コントローラを挿して利用するしかない。ただ、このコントローラは6万3000円と、MicroServer Gen8がもう1台買えるぐらいの価格となっている。

フロントベゼルを開くとHDDトレイが見える。左の2台が6Gbps SATA対応、右の2台が3Gbs SATA対応。ホットプラグ機能はサポートされていない。このため、ドライブの抜き差しは、必ず電源を落として行う必要がある
HDDトレイは、バーを持ち上げて、本体から引っ張り出す
HDDトライにドライブを固定する時に、フロントに留められていたねじ回しを使う

(山本 雅史)