仮想化道場
Haswell世代のXeon E3サーバー「DL320e Gen8 v2」を試す (ベンチマークを図ってみた)
奥行きが約半分になった1Uサイズのサーバー
(2013/10/23 06:00)
ベンチマークを図ってみた
ベンチマークは、プロセッサの性能を測るSandra、マルチスレッドの性能を測るCinebench、ディスク性能を測るCrystalDiskMarkを使用した。
今回は、Sandraの細かなデータを見るのではなく、相互評価をチェックしてみた。環境などの誤差はあるが、基本的にHaswell世代(第4世代)のCore i7-4770に近い性能を有している。Xeonであっても、E3-1200 v3シリーズは、デスクトッププロセッサとほとんど変わらない性能になっているのが見て取れた。
Sandra 2013 | |
プロセッサー性能 | 89.52GOPS |
マルチメディア処理 | 388.20Mピクセル/秒 |
暗号処理 | 5.636GB/秒 |
.NET演算 | 30.41GOPS |
.NETマルチメディア演算 | 39.42Mピクセル/秒 |
メモリの帯域 | 19.801GB/秒 |
メモリのレイテンシー | 28.8ns |
ファイルシステムの帯域幅 | 110.063/秒 |
ファイルシステムIO | 995.5IOPS |
Cinebenchの結果では、Haswell世代のCore i7-4770Kを4.4GHzにオーバークロックして動かした方が、高い性能を示している。これから見れば、DL320e v2は、採用しているプロセッサの周波数に応じた性能を示しているといえる。
HDDのベンチマークを取ったCrystal Disk Markの結果を見てみると、それなりのディスク性能だった。実は、今回お借りしたDL320e v2に搭載されていたHDDは、3Gbps SATAのHDDだった。WD Redシリーズでも6GbpsのSATA HDDが発売されているため、これに変えれば、もう少し性能アップするだろう。もちろん、純粋に性能を追求するならSSDの方がいい。
実際に使って見て、DL320e v2は、Haswell世代のプロセッサを搭載したデスクトップPCをサーバーにしたものだと感じた。価格的には、Xeon E3-1240 v3を搭載したモデルでは25万円から30万円ぐらいになるだろう(オプションによって異なる)。iLO4など、HPのGen8世代サーバーの機能が搭載されていることを考えれば、それなりの価格といえるのではないか。
ただ、DL320e v2の最大の特徴は本体のサイズと重量だ。奥行きが短くなり、コンパクトで軽い1Uサーバーとなっている。前述したように、重量的な問題でラックの全段にサーバーが搭載できない場合などでも、DL320e v2を使えば、今までより多くのサーバーをラックに追加することができる。
ただ、コンパクトなサーバーということで、オフィスでも使えるのではないか、と考えるかもしれないが、MicroServer Gen8とは違い、ファンの音が大きい。特に、起動時には大きな音がする。ある程度負荷が落ち着けば少しは低くなるが、さすがにオフィスのデスクの下に置くようなサーバーとはいえない。こういったことからも、サーバールームやデータセンターに置くサーバーといえる。