週刊データセンターWatch:

KDDI、高発熱GPUの水冷技術確立に向けて、渋谷データセンター内に検証環境を設置

 KDDI株式会社は、データセンターにおける高電力GPUサーバーの稼働実態把握を目的に、技術検証環境を「KDDI Telehouse 渋谷データセンター」内に開設すると発表した。今後、パートナー企業との共同検証などに活用する。

技術検証環境のイメージ図

 生成AIなどの利用に不可欠とされるGPUサーバーは、高性能な一方で電力消費が激しく、高発熱であることが知られている。これにともなって冷却技術の高度化が求められており、中でも水冷技術への注目が集まっている。

 KDDIがこのほど設置した検証環境では、直接液冷方式(DLC)に対応したサーバーと、GPUの発熱を模擬する装置などから構成される。最大電源容量300kVA、最大冷却能力300kWとしているが、これはKDDIがシャープ堺工場(大阪府)跡地で開設する新データセンターで導入予定の最新GPU「NVIDIA GB200 NVL72」を想定したものという。

 KDDIによれば、GB200 NVL72はラックあたりの発熱量が従来型設備との比較で10倍以上とされ、DLCへの対応は不可欠とみられる。加えて、これまで空冷方式前提で運用されてきたデータセンターにDLCを導入したいとの声が将来的に高まることも予想される。

 KDDIではこれらの観点から、稼働中のKDDI Telehouse 渋谷データセンターをDLC対応に改修。導入の実態についていち早く検証する計画だ。