週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】GPUとは

 画像処理を目的とした集積回路、ないしその回路を各種コンピュータに接続できるようにした装置のこと。「Graphics Processing Unit」の略称。一般的にはビデオゲームの画面表示能力をつかさどる部品だが、AI・機械学習にも好適なため、GPU専門のサーバーがデータセンターに設置される例が近年多い。

 サーバーやコンピューターの処理能力は通常、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)の性能に左右される。CPUには「コア」の概念があり、コアの数によって並列処理できる作業量が決まる。PCやスマートフォンのCPUであればコア数は10個未満、サーバー用のCPUは数十個程度とされる。

 これに対してGPUは、3D CGを表示するための座標計算が膨大な数になることなどから、コア数が数千個に上るケースが少なくない。AI・機械学習では、単純なタスクを天文学的レベルでひたすら繰り返すため、CPUよりもコア数で優れるGPUで実施した方が効率的となる。

 このように、GPUを画像処理以外の汎用計算目的で利用する技術は「GPGPU(General Purpose computing with Graphic Processing Unit)」と呼ばれる。暗号通貨のマイニング(採掘)も、GPGPUの一種と言えるだろう。

 GPUメーカーのNVIDIAはGPGPUの取り組みに積極的で、開発者向けソフトウェア環境の拡充を長年にわたって継続。市場で極めて大きな存在感を放っている。一方、AMDなどライバル企業からは追随の動きもみられる。