週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】SSDとは

 「Solid State Drive」の略称で、半導体メモリーを用いた記憶装置(媒体)のこと。近年は、ノートPC・デスクトップPCにおける各種データの保存先として、幅広く利用されており、その性能の高さから既存のHDD(Hard Disk Drive)に取って代わる存在へと成長した。

 HDDは磁性体を塗布した円盤の上で磁気ヘッドを物理的に動かすことでデータを記録する。技術的な熟成が進み、製品価格もSSDと比べて相対的に安価なため、データセンターで使われるサーバーの多くにはHDDが採用されてきた。

 SSDはHDDに比べて高価だが、半導体にデータを記録するため、磁気ヘッドを物理的に動作させる必要がない。結果として、データアクセスが圧倒的に高速、振動に強い、動作音が小さい、省電力、部品としてのサイズをコンパクトで済むといったメリットがある。

 ただしSSDは、半導体に対するデータ書き換え回数に上限があるため、一般消費者向けのPC用としては十分な製品寿命を確保できてはいるものの、極めて高頻度にデータアクセスが発生するサーバー用の記憶装置としては不向きだと考えられてきた。

 一方で、製品としてのSSDの進化は続いており、特にデータアクセスの高速性はHDDがおよぶところではない。サーバーにおけるSSD導入も進んでおり、メーカーも専用の製品をラインアップするようになってきた。HDDを排してSSDや専用設計の半導体だけで構成する記憶装置は「オールフラッシュストレージ」と呼ばれ、認知が広がっている。