週刊データセンターWatch:

富士通、クラウド移行を容易にするための閉域ネットワーク基盤「Digital enhanced EXchange」提供開始

 富士通株式会社は、閉域ネットワーク基盤「Digital enhanced EXchange(DEX)」の提供を開始した。自社オンサイト、富士通データセンター、各社クラウドの連携を、複雑な設計や回線設計なしに実現するとしている。

「Digital enhanced EXchange(DEX)」の提供イメージ

 富士通では6月、オンプレミスやデータセンターなどさまざまな形態で運用されるITインフラを、デジタルトランスフォーメーション(DX)環境により適した形態で提供しようというソリューション群「FUJITSU Hybrid IT Service」を発表。DEXはそのサービスメニューの1つで、2020年第2四半期の提供を目指して開発が進められていた。

 これまで、企業ユーザーの多くは富士通のデータセンター内で物理サーバーを稼働させてきたが、これらを一度にAzureやAWSなどと連携させようとした場合、開発難度が高くなってしまうのが実情だった。

 そこで、富士通が閉域網としてのDEXをあらかじめ用意しておくことで、データセンターやクラウド間の接続をよりセキュア、かつシンプルに実現するという。富士通の試算では、クラウドに接続するコストを約6割削減できるほか、構築期間も約9割短縮できるという。

 またDEXは、富士通の東日本・西日本それぞれのデータセンターを連携させることもできるため、ディザスターリカバリーなどへの応用も可能としている。