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低コスト・フルサポートによる“失敗しないRPA”導入のススメ

 業務を効率化するためにRPA(Robotic Process Automation)を導入したものの、「思ったような成果が出ない」「運用や改善がうまく回らない」と頭を悩ませている企業は多いのではないだろうか。

 RPAがうまくいかないのは「コストとサポートの問題が根本にあります」と話すのは、ディップ株式会社 執行役員 AI・RPA事業本部 本部長の三浦日出樹氏だ。

ディップ株式会社 執行役員 AI・RPA事業本部 本部長 三浦日出樹氏

労働力の諸問題を解決する『Labor force solution company』

 なぜディップがそのようなことを?と思われる方もいるかもしれないので、先にディップの取り組みについて触れておこう。ディップといえば「バイトル」や「はたらこねっと」などの求人情報サービスを展開する企業だ。

 仕事と働き手(人)のマッチングを中心とした事業を展開してきた同社は、2019年新しいビジョンを打ち出した。「以前からの人材サービスに加え、AIやRPAといったデジタルによる労働を提供する『労働力の総合商社』として、労働力の諸問題を解決する『Labor force solution company』というビジョンです」と三浦氏。人材サービス事業をHuman labor force、AI・RPA事業をDigital labor forceと位置づけ、多様なLabor force solutionを展開していく戦略だ。

 そうしたDigital labor forceの中で第一弾となるのが、RPAの提供である。とは言っても、突然RPAに取り組み始めたわけではなく、同社はこの新しいビジョンを打ち出す以前より、RPAについては積極的、先進的に取り組んできたという。

 「自社内でも営業リストの作成、反社会的勢力(反社)チェック、報告レポート作成、アラートメール送信など、100 種以上の業務にRPAを導入し、累計166体のロボットを稼動させ、1年10か月で約21万1,000時間の削減を実現させています。その運用経験を基に、まずはテンプレート型のRPAツールを5,000社以上の顧客に導入し運用をご支援してきました」と三浦氏が言うように、ディップはRPAの導入・運用に関する豊富なノウハウや知見を有している。

 累計5,000社以上の顧客は、バイトルなど既存サービスのメイン顧客である中小規模の企業が中心。約1,500名の営業担当者が顧客のニーズを把握しながら提案を行ってきた。そして2020年8月、ディップは新たなRPAツール『コボットPlatform』の提供を開始した。

従来のRPA導入・運用における課題

 RPA導入・運用における課題に話を戻そう。RPAはツールを購入すればよいというものではない。RPAのライセンス料に加え、ロボットを開発する環境の整備、ロボットを管理するツールの導入や、RPAを運用するランニングコストが必要だ。

 「その結果、大手企業でもRPAを導入しているのは一部門の一業務だけ、といったケースも少なくありません。ロボットを増やしたくてもコストの問題で稟議(りんぎ)が通らず、結果として自動化が中途半端になってしまい、思ったような成果につなげられないというお悩みをよく聞きます」と三浦氏。

 そして、RPAツールは販売代理店経由、もしくはSIer経由での導入となるケースが多い。そうした販社やSIerのほとんどはRPAを専業としているわけではなく、結果サポートに関してはベンダー頼み。十分なサポートを受けられず、運用や改善がうまくいかないケースも散見されるという。

 「すでにRPAを検討・導入している、比較的規模の大きな企業でもこうした課題を抱えていることが多いのです」と三浦氏は言う。なお中小規模の企業でのRPA活用では、コストとサポートに対する課題に加え、リテラシー不足の問題もあると付け加えた。

低コストと充実のフルサポートが魅力の『コボットPlatform』

 『コボットPlatform』は、パソコン上の定型作業を自動化するためのRPAツールだ。「使いやすい」「適正な価格」「充実のサポート」をコンセプトとしている。『コボットPlatform』は、ロボット開発環境の「コボットStudio」、ロボットを実行する「コボットAgent」、ロボットを管理する「コボットCenter」から構成される。

 これまでディップでは主に中小規模の企業向けにテンプレート型のRPAを提供してきたが、『コボットPlatform』は、大手企業の単一部門での導入や中小規模の企業での全社導入といった、従来よりも大きな規模に向けた製品となる。

 「これまでにもRPAを検討してきたが導入には至らなかった、利用しているが思った様に成果が出ない、適用業務を拡張できない企業にぜひ導入・活用いただきたい。」と三浦氏は語る。

 『コボットPlatform』の特徴は、RPA導入・運用における課題を解決し、成果を最大化するものだ。その特徴の一つが低コストで導入・運用できる点である。

 「ライセンスをリーズナブルな価格設定にしています。開発環境であるコボットStudioについては無償で提供します。例えば、10人でロボット開発をするのであれば開発環境が10必要になりますので、そのコスト面でのハードルを下げています」と三浦氏は言う。開発環境が無償ということで、安心して導入することが可能だ。

 低コストでの提供については「コストを下げてRPAの普及率を上げたい、という思いもある」という。ディップでは、営業支援や、バックオフィス業務の自動化を実現するさまざまなツールを提供しており、そうしたツール同士の連携にはデータの転記などの業務でRPAが効果を発揮するケースも多い。

 そしてもう一つ大きな特長となるのがサポートだ。『コボットPlatform』はディップが導入から運用まで直接、フルサポートを提供する。RPAの自動化対象業務をどうするかといったところから、その後の開発・運用フェーズまでフルサポートする。

 「豊富なRPAに対する知見・ノウハウを持ち、ツールベンダーでもあるディップが、導入から運用まで手厚いサポートを提供します。なぜなら顧客に『コボットPlatform』を安心してお使いいただきたいからです」と三浦氏。

 これは顧客と「常に寄り添う」という、ディップの企業としてのフィロソフィーによるものだ。ディップではRPAの販売に先駆けて、営業担当者を中心にRPAに関するeラーニングおよび習熟度テストを実施し、リテラシーを高めた上で顧客への提案を行っている。こうしたことも顧客と真剣に向き合うというフィロソフィーの現れと言える。

 そのほかにも、製品に関する各種問い合わせや、操作方法、改善依頼などのヘルプデスクはもちろんのこと、ロボットの開発と運用をサポートする専用ポータルサイトや、顧客のリテラシー向上のためにeラーニングコンテンツなども提供する。

 低コストでのツール提供とフルサポートの両輪で成果を出すための手厚い支援を提供するのが『コボットPlatform』の特徴だ。

大手飲食チェーンと大手物販会社もトライアル中

 2020年8月に提供を開始して間もない『コボットPlatform』だが、「引き合いは多く、すでに大手飲食、小売りチェーンを含め、約40社で『コボットPlatform』を適用するトライアルが始まっています。先方からはRPAの導入にかけるリソースがないということで、自動化対象業務の選定から開発、運用まで全面的にサポートさせていただいています。」と三浦氏。

 なお、現在ディップでは『コボットPlatform』についての個別相談会と1カ月の無料トライアルを実施中だ。簡単なヒアリングの上でロボット開発の体験や自社業務の自動化検証を無料で受けることができる。

 「RPAツールを無理に押し込んで、導入したものの使えないというのではお互いに不幸です。まずは無料で開発・導入し、丁寧に検証後、ご納得いただいた上で、始めていただきたいです。」と三浦氏は言う。

 ディップでは今後も『コボットPlatform』の拡販を進めるとともに、さまざまなLabor force solutionを展開していく。

 「Digital labor force事業を立ち上げた当初は、これにより人の仕事が奪われませんか?とよく聞かれました。ですが、そういうものではありません。単純な定型作業はデジタルに任せて、人は人にしかできない業務に専念していただきたいというのが私たちの提案です。第一弾としてRPAの展開をスタートしましたが、今後Digital labor forceにかかわるものはすべてやっていくつもりです。特に近年はDXのニーズが高まっているので、更なる事業拡大を目指します。」と三浦氏は力強く語った。