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プロが解説! セキュリティ強化のカギはここ

万全な覗き見対策で、リモートワークも安心

 ビジュアルハッキング、つまりPC画面を覗き見して情報を盗むというものです。情報漏えいの半分がこのビジュアルハッキングに起因し、しかも成功率は90%以上(*1)といわれています。これに対策できるのが、PC内蔵型プライバシースクリーン「HP Sure View」です。このソリューションを導入するメリットについて、日本HPの大津山隆氏と鈴木学氏にお聞きしました。

――ビジュアルハッキングとはどのようなものですか?

  大津山氏: 単純にPCの画面に映っている情報を盗み見するというものです。ショルダーハッキングとも呼ばれていますね。古典的でシンプルですが、それゆえに今でも有効な情報詐取の手段といえるでしょう。その成功率は90%以上(*1)という調査結果があるほどです。

  鈴木氏: ウイルスやマルウェア感染のようなセンセーショナルな印象が薄いため、それほど脅威に感じられないかもしれませんが、機密情報の52%がビジュアルハッキングで漏えい(*2)しているともいわれています。

株式会社 日本HP サービス・ソリューション事業本部 クライアントソリューション本部 大津山隆氏

――どんな情報が盗み見されるのでしょうか?

  大津山氏: 見られてまずいものはたくさんあります。たとえば、新製品に関する情報などは公式発表されるまで機密情報として扱う企業は多いはずです。発表前にライバル企業に知られたら一大事ではないでしょうか。他にも企業買収に関する情報が公表前に漏れ出てしまったら、株価などにも悪影響があることは否めません。また、見積書などをライバル企業に見られてしまったがために、コンペを落としてしまうようなことになれば、直接的にビジネスに影響が及んでしまいます。

  鈴木氏: もうひとつ大きなカテゴリーとしては個人情報でしょうか。たとえば取引先や顧客企業の個人情報が流出したことが明らかになったら、企業は大きなダメージを受けてしまいます。信用を失ってしまうことはもちろん、企業存続にも関わりかねません。

  大津山氏: ビジュアルハッキングをはじめとした物理的に守られていない外での利用のリスクを恐れて、PCの持ち出しを禁止している企業は今でも少なくないといわれています。2019年4月に働き方改革関連法案が施行されてから、リモートワークへの機運は高まっていますが、それを阻んでいる要因のひとつがビジュアルハッキングといえるでしょう。

株式会社 日本HP サービス・ソリューション事業本部 技術本部 クライアント技術部 テクニカルコンサルタント 鈴木学氏

――社外へのPC持ち出しを許可している企業でも、PC画面に取り付けるプライバシースクリーンは必須というところは多いようです。

大津山氏: 確かにプライバシースクリーンは有効なのですが、着けたり外したりが煩雑という声がありました。これに応えるソリューションとして開発したのが「HP Sure View」です。

  鈴木氏: F2キーをタッチするだけで光学的にプライバシースクリーンを再現します。ビジネスPCの左右からはディスプレイが白濁して見えるので、脇から覗き見をしようとしても、画面に何が映し出されているのかまったく判別できません。

  大津山氏: また、最近のPCの主流であるタッチスクリーンは着脱式のプライバシースクリーンを取り付けると感度が落ちてしまうことが指摘されていましたが、「HP Sure View」ならそれを回避できるので、外出先でもペン入力で仕事をしている人にも最適です。

  鈴木氏: 実はこの「HP Sure View」も進化しており、第2世代はディスプレイが白く見えるのですが、第3世代では黒く、暗くなるようになっています。技術的には画面を白くするよりも暗くしてしまうほうが消費電力が抑えられます。その分、バッテリーも長く保つようになっています。さらに今回第4世代に当たる「HP SURE VIEW REFLECT」を発表いたしました。HP SURE VIEW REFLECTはより高機能で新しいカッパー(銅)色の反射型のプライバシースクリーンになり、明るい環境でも暗い環境でも効果的に機能し、覗き見による情報漏えいを防ぎます。

――「HP Sure View」を搭載したビジネスPCならば、安心して社外に持ち出して使うことができるということですね。

  大津山氏: はい。航空機や新幹線などで移動しているときでも、覗き見を気にせず仕事ができます。着脱式のプライバシースクリーンを持ち歩く必要もなくなります。

  鈴木氏: PC持ち出しに二の足を踏んでいた企業にとって、リモートワークを導入する絶好のきっかけになると思います。

*1・*2:Global Visual Hacking Experiment 2016