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KELA、取引先のリスクを評価するSLINGプラットフォームをアップデート 経済産業省のセキュリティ指針にも対応
2026年8月19日 11:13
KELA株式会社は18日、グループ会社のSLINGが開発するサードパーティーリスク評価・管理プラットフォームをアップデートしたと発表した。KELA 執行役員社長 兼 COOの廣川裕司氏は、今回のアップデートについて、「AIの利用拡大に伴い急増するサードパーティーリスクやサプライチェーンリスクにAIで対抗し、リアルタイムのサイバーインテリジェンスを活用してサプライチェーン全体を防衛する」としている。
SLING(KELA Group) 共同創業者 兼 CEOのウリ・コーエン(Dr. Uri Cohen)氏は、「世界の最高情報セキュリティ責任者(CISO)の60%が、過去1年でサードパーティーに起因するインシデントが増加したと回答している」と述べ、「攻撃者は企業に直接侵入するだけでなく、取引先やベンダーを経由してアプローチする手法を取っている。そのため企業は自社単体の保護にとどまらず、関連する事業全体を防衛することが不可欠だ」と、AI時代におけるサプライチェーンリスクに警告を鳴らす。
SLINGは、サプライチェーン全体のリスクを継続的に監視することで、こうした課題に対応する。アタックサーフェスマネジメントで外部に公開されている資産を常時モニタリングし、独自のサイバー脅威インテリジェンス(CTI)とダークウェブ監視を融合させ、リスク評価スコアとアラート情報を提供している。
今回のアップデートでは、対話型AI機能「ROSE AI」を実装した。ROSE AIは、プラットフォームにネイティブ統合された対話型AIアシスタントだ。複雑な脅威の検出結果を平易な言葉に翻訳し、危険度やコンテキストを解説するとともに、優先度の高い具体的な修復ステップを提示する。
また、経済産業省および金融庁のサイバーセキュリティ指針「サイバーセキュリティセルフアセスメント点検票」に準拠したアンケート機能も搭載した。プラットフォーム上から質問票を取引先に直接送付して回収し、回収結果とSLINGの技術的スコア(Sling Score)を同一画面で一元管理できるようになる。企業独自の調査項目を追加したカスタム質問票の作成も可能だ。
さらに、大手企業グループやマネージド・セキュリティ・サービス・プロバイダー(MSSP)向けのマルチテナント管理パネルを統合した。テナントごとに分離されたアクセス制御のもと、複数の子会社や顧客企業のリスクを、危険度や事業重要度、部門別に管理できる。
コーエン氏は、SLINGが選ばれる理由として、「日本語対応はもちろんのこと、10年以上にわたり蓄積された独自のCTIデータとダークネットの監視による24時間365日の継続モニタリングがSLINGの強み。ハッカーが現在どこに注目しているかという高度な知見まで含め監視している」とした。
今後の製品ロードマップとしては、統合されたLLMを活用し、ビジネスの文脈に合わせた経営層向けのサマリーや分析結果を文章で自動生成するAI自動生成リスクレポート機能を予定している。同機能は現在ベータ版として提供されており、9月にも一般提供を開始する。
また、サードパーティーだけでなく、委託先の委託先となるフォースパーティーまでのベンダーを自動検出する機能も2027年までに追加する。このほか、サプライチェーン上のセキュリティインシデントが企業の事業継続や売上高に与える潜在的な影響を、財務・運用面から数値化する定量モデルも提供する予定だ。
廣川氏は、ランサムウェアの被害額が急拡大していること、またその根本原因である脆弱性の発見ペースもAIの登場によって急増していることについて触れ、「攻撃プロセスの自動化やフィッシングの高度化、攻撃対象領域の拡大といったAI時代の新たなリスクに対しては、侵入後の対応に追われる従来の防衛策では防ぎきれない。今後は資産を可視化し、攻撃の予兆段階で遮断する能動的な対応が求められる」と述べた。





