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NEC、SAP S/4HANAをクラウド型で提供する「SAP HANA対応サービス」

 日本電気株式会社(NEC)は25日、SAPの次世代ビジネススイート「SAP S/4HANA」をクラウド型で提供する「SAP HANA対応サービス」を開始した。

 SAP HANA対応サービスでは、SAP HANAの特徴であるインメモリデータ処理に対応できるよう、従来最大384GBであったメモリ容量を最大6TBまで拡張。メモリサイズ512GB/2TB/6TBの3つのサーバーサービスをラインナップとして用意し、ユーザーのニーズに応じたシステム環境を提供する。

 SAP HANA対応サービスに、「仮想サーバサービス(HA)」や「物理サーバサービス」などNEC Cloud IaaSの既存サービスやハウジングサービスを組み合わせて利用することで、SAP HANAのメモリデータベース、SAPのアプリケーション、ウェブシステム、周辺システムなど、すべてのシステムをNECの同一データセンター内に配置可能。これらのシステムはLAN接続され、安全・高速なデータ連携が可能で、NEC Cloud IaaSのセルフサービスポータルから統合運用管理も実現できる。

 これにより、従来クラウド利用で生じていたオンプレミス環境との間でシステムが分散配置になることによる、性能面の問題やセキュリティリスクの増大、運用面の複雑さといった課題解決に貢献する。

 既存のSAPシステムからインメモリデータベースを活用するSAP HANAへの移行は、新旧でアーキテクチャが異なることから新規にシステム・移行方式の設計が必要となる。NECでは、自社基幹システムにおける移行実践ノウハウを活用して、「HANAマイグレーションサービス」を提供。既存システムの課題抽出からSAP HANA移行の投資対効果の算定、SAPパッチ(エンハンスメントパッケージ:EhP)の適用・アプリケーション改修作業を含めたデータベース移行ロードマップの策定、移行作業の実施、SAPシステムのアプリケーションの運用保守サービスに至るまで、企業におけるSAP HANAへの移行・導入・運用保守を総合的にサポートする。

 サービスの価格は月額18万7000円(税別)から。NECでは今後5年間で120社への販売を目標とする。

三柳 英樹