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ゲットワークス、GPU可観測性ソリューションとして「IBM Instana Observability」を採用

可視化を通じて約80%の消費電力低減を確認

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は19日、株式会社ゲットワークスが、GPUごとの電力・温度・利用率をリアルタイムに可視化し、負荷調整による電力最適化を可能にする可観測性基盤として「IBM Instana Observability(以下、Instana)」を採用し、1月に湯沢GXデータセンターで本番運用を開始したと発表した。

 ゲットワークスは、コンテナ型データセンター事業を展開し、2026年1月末時点で300台以上(20ft:270台以上、40ft:30台以上)の構築実績を持ち、サーバー3000台以上の設置・運用実績を有している。

 また、ゲットワークスは、複数ベンダーの水冷GPUサーバーを統合制御できる独自技術を保有し、省エネ・再生可能エネルギーの活用をテーマとして各自治体とも協力体制を構築している。湯沢GXデータセンターでは、バイオマス発電・水(井水・河川水)・外気を活用した運用を行っている。

 AI時代において、GPUは企業のビジネス変革を支える重要なインフラとなっているが、特に高性能GPUは、1基あたりの消費電力が数百ワットに達し、稼働状況を把握できないまま運用すると、必要以上の電力消費や冷却コストの増加を招く。そのため、GPU単位で稼働状況を可視化し、電力を最適化することがデータセンター運用の重要課題となっている。

 こうしたGPU運用の最適化に向け、ゲットワークスは日本IBMとともに、2025年11月から12月にかけて湯沢GXデータセンターで、GPU可観測性ソリューションの導入検討を目的とした実証実験を実施した。

 実証実験では、InstanaとOpenTelemetry、NVIDIA Data Center GPU Manager(DCGM)を統合した可視化体制を構築し、湯沢GXデータセンターに設置されたNVIDIA H200 GPU×8基を対象に、GPUごとの温度・電力使用量・メモリ使用率・稼働率などをリアルタイムで可視化し、可視化データに基づく負荷調整の効果を検証した。

 その結果、GPU 8基合計の消費電力が、フル稼働時から負荷分散後に約80%低減したことを確認した。この成果を受け、ゲットワークスは2026年1月にInstanaの本番運用を開始した。また、湯沢GXデータセンターでの監視対象GPUの拡大も検討を進めている。

 ゲットワークスと日本IBMは、データセンター運用の高度化とサステナビリティーへの取り組みの両立を見据え、今後、IBMが提供するAIエージェント駆動のエンタープライズ向け開発支援パートナーである「IBM Bob」を活用したAI駆動運用の実現に向けた実証実験を進める予定だ。

 現在は、Instanaが取得したGPUの観測データの確認と報告文書作成、および冷却設備のテレメトリー取得・可視化の実現に向けた開発にも取り組んでいる。また、観測データに基づくサーバーの電源・冷却ファンといった物理制御から、Kubernetesのワークロード配置といったソフトウェア制御まで、AIが運用判断を支援する仕組み(実行には必ず人の承認を挟む設計を前提)の段階的な構築に向けた検討も進める。

 さらに、ESGデータ管理プラットフォーム「IBM Envizi ESG Suite」との連携を含むサステナビリティー関連情報の可視化・集約についても検討を行う予定としている。

湯沢GXデータセンター