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メラノックス、25/100GbEスイッチでCumulus Linuxをサポート
(2016/4/11 06:00)
メラノックス テクノロジーズ ジャパン株式会社(以下、メラノックス)は7日、100Gigabit Ethernet(GbE)スイッチ「SN2000」シリーズにおいて、ベアメタルスイッチ向けネットワークOS「Cumulus Linux」をサポートしたことを発表した。
これまで同社が提供してきた「MLNX-OS」に加え、Cumulus Linuxを搭載した製品を提供できるようになる。ユーザーは用途に合せていずれかのOSを選択できる。
独自OSを展開しているにも関わらず、サードパーティー製のCumulus Linuxに対応したことについて、米Mellanox ワールドワイドセールス担当シニアバイスプレジデント、Marc Sultzbaugh氏は、「特定のベンダにロックインするのではなく、用途に合せてハードウェアとソフトウェアを選択できることが重要だ」と述べている。
なお、Cumulus Linuxを搭載可能なSN2000シリーズは、100GbE×32ポートの「SN2700」、25GbE×48ポートと100GbE×8ポートの「SN2410」、100GbE×16ポートの「SN2100」の3種類のモデルで構成される。
今回サポートされたCumulus Linuxは、Facebookが提唱するOpen Compute Project(OCP)で注目されるようになったベアメタルスイッチ向けのネットワークOSだ。DebianをベースとしたLinuxであり、L2/L3のネットワーク機能を提供する。
ベアメタルスイッチはホワイトボックススイッチとも呼ばれている。特定のベンダにロックインされることなく、オープンで標準化された規格に沿って、ユーザーは自分たちの用途にあった高性能で低価格なシステムを選択できるよう、ハードウェアとしてのスイッチとソフトウェアであるネットワークOSを分離している。Cumulus LinuxもそんなネットワークOSの一つであり、すでに複数のベンダがCumulus Linuxのサポートを表明している。
Cumulus Linuxはその名前が示す通りコマンドLinuxをベースにしているため、普段Linuxで作業をしているエンジニアであれば、これまでスイッチの管理に経験がない管理者でも比較的容易に操作を習得できる。一方MLNX-OSは、Cisco IOSに似た操作性を持っており、経験のあるインフラエンジニアであれば操作にとまどうことはないという。
メラノックス ジェネラルマネージャの津村英樹氏は、「SN2000シリーズは業界トップクラスの性能を持った製品ではあるが、BGPやIPv6といったL3のテクノロジへの対応にやや難があった。Cumulus Linuxを使えば、これらの問題を解消できる」と述べ、両OSにはそれぞれ向いた用途があることを強調した。
さらに津村氏は、The TollyによるSN2000シリーズと他社の性能比較の検証結果を示し、他社製品よりもパケットロスが発生しにくく、すべてのポートでバンド幅を公平に割り当てることができるとSN2000シリーズの性能をアピールした。