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ウイングアーク1st リアルタイムでIoTデータを可視化するBI関連製品をリリース
(2016/4/1 11:38)
ウイングアーク1st株式会社は3月30日、リアルタイム分析を可能にしたBIダッシュボードの最新版である「MotionBoard Ver.5.6」、および集計・分析プラットフォーム「Dr.Sum EA Ver.4.2」を発表した。これらの最新版では、さまざまなデバイスから送られてくるデータをリアルタイムで分析し、可視化できるようにするなど、IoT(Internet of Things)機能を強化しているという。
代表取締役社長CEOの内野 弘幸氏は、IoT機能を強化した理由について「IoTの考え方は新しいものではないが、技術の進化によって、実際にできることが増えてきた。単なる分析ではなく、さまざまなデータからお客さまの価値を生み出せる情報基盤を提供していきたい」と述べた。
また、営業本部GTM推進部副部長の大畠 幸男氏も内野氏の説明を補完する形で、「実際にモノがしゃべるようになってきたことで、モノの情報を手軽に集めて分析できるようにななった」と述べ、IoTが注目されるようになった理由として、スマートフォンなどの身近なデバイスからさまざまな情報が取得できるようになったことを挙げている。
また、ウイングアーク1stは今回のバージョンアップにおいて、「リアルタイム性」を非常に重視している。BI技術本部長の島澤甲氏は、「いままでは、ある程度蓄積したデータを分析・可視化していたため、リアルタイム性が乏しかった。これからは変化をすぐに把握できるリアルタイムな分析環境が求められている」と述べた。
リアルタイムのデータ分析と可視化を実現するため、同社は「データベースのリアルタイムな変更検知」、「APIによるPush型の情報収集」「スマートフォンによる情報の可視化」といった3つの対応パターンを用意している。なお、スマートフォンから情報を収集するため、「IoT Agent」というアプリも開発している。IoT AgentをAndroidやiOSのデバイスにインストールすると、位置情報をはじめとするさまざまなデバイスの状況を、MotionBoardに定期的に送ることができるようになるという。
このうち、データベースのリアルタイムな変更を検知するデモとして島澤氏は、発表会会場にあるWi-Fi電波を発信するデバイスのMACアドレスを会場においたPCで取得してデータベースに保存し、データベースの変更検知によってリアルタイムで使用状況の変化を可視化するデモを実施した。実際に記者がスマートフォンの電源のON/OFFを実施すると、画面上の数字が数秒で変化したことを確認している。ほかにも同社のUPS電源の使用状況、スマートハウスの発電や利用状況をリアルタイム把握する方法や、スマートフォンにIoT Agentをインストールし、行動ルートをGoogle MAP上に描画して見せるなど、さまざまなデモをを行っている。
また、今回のバージョンアップにおいて、MotionBoardは地図機能も強化している。Googleの「OpenStreetMap」を利用することで、たとえばルート配送トラックに対して効率の良い巡回ルートを提示したり、巡回ルートを工夫することでトラックの台数を増やすことなく配送の効率化を図れるかをシミュレートしたりできるようになるという。もちろん、IoT Agentによる位置情報と組み合わせることで、さまざまな利用が考えられるだろう。
そのほか、MotionBoardで分析した結果をExcelやPowerPointに出力できるようになったことで、分析結果による資料作成などが容易になる機能を追加しているという。
MotionBoardにはクラウド版とパッケージ版があり、クラウド版では、IoT関連機能が使える最上位のエディションとなる「IoT Edition」を新たに用意する。なお、パッケージ版には、全ての機能が含まれている。提供開始は、クラウド版が4月25日、パッケージ版が同年5月16日。価格(税別)はクラウド版が10IDで月額9万円から、パッケージ版は5ユーザーで100万円から。Dr.Sum EA Ver.4.2 は4月21日に発売する。